内容説明
身なりはぜんぜんちがうけれど、目鼻立ちがそっくりなふたり。ひとりはアメリカ独立戦争に巻き込まれた18世紀の少女、もうひとりは21世紀の。羊皮紙に描かれた絵がふたりの少女をひきあわせ、二〇〇年後の語り手を得て、肖像画の少女が鮮やかによみがえる。
著者等紹介
ライリー・ギフ,パトリシア[ライリーギフ,パトリシア] [Giff,Patricia Reilly]
ニューヨーク市ブルックリン生まれ。20年間教師をしたのち、子どものための本を書き始め、60冊をこえる著作がある。コネチカット州在住
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
福岡県生まれ。訳書『ホリス・ウッズの絵』(さ・え・ら書房)が産経児童出版文化賞に、訳書『真実の裏側』(めるくまーる)が同賞推薦図書に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
126
現代の少女と200年前の少女が、一つの絵を通してつながっていく。父の仕事のためにおばさんの家に預けられたエリザベスは、そこで自分に似た女の子の絵を見つけて、親しみを抱くようになるのだが……。エリザベスはその絵をきっかけにして、祖国アメリカの歴史を知る。英国から独立するための戦いの悲惨さを知り、人間として成長していく。普通の少女の目から見た独立の戦いの描写は新鮮で、真実味があった。エリザベスは絵の少女ズィーと出会って、自分の生き方を決める点が読み手の心を打つ。エリザベスのような語り手を歴史は必要としている。2018/03/09
美紀ちゃん
43
おばさんの家にあずけられたエリザベスが、自分そっくりな肖像画に出合う。その絵の少女は200年前アメリカ独立戦争の頃の3世代前の先祖。そのズィーの物語も並行して語られている。アメリカの開拓時代ってインガルス一家のほのぼのとした話しか知らなかったので、戦の話など、とても衝撃的だった。不器用でおっちょこちょいな二人だけど、だんだん強くなっていくのがわかる。主人公が成長して強くなっていく話はいいよね。2014/05/20
エンリケ
35
アメリカ人の誇りの源泉である独立戦争。僕はその史実を殆ど知らない。でもこの物語を読んで、その悲劇性の一端を垣間見る事が出来た。昨日まで仲良く暮らしていた集落の人々が、ある日突然、敵味方に別れて同族相食む様な悲惨な戦いに巻き込まれる。一人の平凡な少女が、その中を生き延びて行く。物語は彼女の子孫である少女が、たまたま出会ったその肖像画から始まるお話。現代と過去を往き来しながら展開する。アメリカ人の子供達への歴史の入門書の様な内容。特に興味の無い日本人にはあまりピンと来ないかも知れない。2016/03/10
星落秋風五丈原
25
父親が仕事のために家を離れるため叔母のもとで暮らすことになった現在の女性と、彼女の遠い祖先である女性が交互に登場。アメリカ独立戦争で同じ国の者どうし、近所の者どうしが争う悲劇に遭遇した少女が成長していく。2017/10/09
シュシュ
20
面白くて一気に読んだ。アメリカの独立戦争のときに生きた少女ズィーと、その子孫である現代の少女エリザベスの物語。謎解きの面白さと2人の少女の成長が語られていて、とても惹きつけられた。失敗ばかりしてダメな自分だと思っている少女が自分の強さや良さを認められる。独立戦争については無知な私だが、アメリカの歴史にも興味を持った。高学年の女の子にすすめたい本。 2018/08/10