内容説明
「雇われ人の市?それって、奴隷と同じじゃない!『アンクルトムの小屋』そのものだわ!そんなもの、行かない。母さん、いやよ!」夢想家の少女が、父親の急死で遠い農場にやとわれ働くことに。読書でつちかった洞察力を駆使し現実にたちむかい、思いやりのある一人前の娘に成長するまで。
著者等紹介
オハラ,エリザベス[オハラ,エリザベス][O’Hara,Elizabeth]
1954年、アイルランド、ダブリン生まれ。国内外の複数の大学で、古英語、古アイルランド語、民間伝承を研究し、アイルランド国立図書館に勤務しながら、たくさんの作品を発表している。一般読者向けおよび子供向けの小説、詩、演劇、放送用脚本など多岐にわたる作品は、ドイツ語、イタリア語、フランス語、ロシア語ほか、多数の言語に翻訳され、国内外の多くの賞を受賞している
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
本名・森内寿美子。福岡県生まれ。訳書『ホリス・ウッズの絵』(さ・え・ら書房)が産経児童出版文化賞に、訳書『真実の裏側』(めるくまーる)が同賞推薦図書に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
54
家にいた頃のサリーは夢見る少女で、家事はサボってばかりの頼りない長女。次女ケイティは家事全般を上手にこなす器用で優しい子。ガラハー家の主が漁に出て亡くなり、現金収入が無くなった事で13と11歳のサリーとケイティが出稼ぎに出ます。半年の住込み労働心配した母親が雇い主に条件をつけ、姉妹が近所で働けるようになる。環境が人を変えると言われてますが、サリーは雇い主家の女主人の入院騒動で頼り甲斐のある人となっていき、反面ケイティは色々な不安から頼り甲斐のない人となっています。思ったほど酷い奉公先ではなかったのが救い。2017/04/18
はる
52
空想家で読書好きな少女サリー。お転婆で家の手伝いも満足にしなかった彼女ですが、父の急死でその運命は激変。遠く離れた農場で下働きをすることに。19世紀のアイルランドですが「赤毛のアン」を思い出します。遠く離れた母からの手紙に涙したり、淡い恋心を抱く幼なじみを想ったり。不安な毎日を重ね次第にしっかりしていく主人公を応援したくなりますね。続きも読まないと。2017/04/12
miwmiw
21
19世紀アイルランド、本が好きな少女サリーが、家の事情で急遽「雇われ人の市」に行き、そこから農場で働くことに。もっと波乱万丈なのかと思ってたので、あれ、終わっちゃったという感じもしましたが、少しずつしっかりしてくるサリーの成長が良かったです。 2012/07/10
カタコッタ
18
帰る家がある。家族でクリスマスを過ごす家に帰る。父親の死をきっかけに女中に出された二人の姉妹、サリーとケイティが家に帰ることになったのだ。そこまでの数ヶ月のお話です。家に帰るってこんなに嬉しい事なんですね。歳のせいか涙もろくなりましたが、おおいに感動したら泣こうと思ってます。続編もあるので読んでみます。2022/09/20
ぱせり
18
自分のいる場所を「家」と感じられる、その場所に必要な自分であると思える、それが、自立の道でもあったのだろう。サリーの「家」はこれからどう変わっていくのだろうか。あれこれの「どうして」や「それから」が気になって、つづきが楽しみで待ちきれない。2010/07/09
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