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内容説明
立ちつくすパヴァーナの耳に、かすかな風に運ばれて、か細い泣き声が聞こえてきた。子ねこだろうか。村はずれの家から聞こえてくるようだ。そっと近づき、入り口に立つ。家は屋根の一部がくずれ落ち、部屋の真ん中に瓦れきの山ができている。パヴァーナは、瓦れきごしに声のするほうを見た。子ねこではない。部屋のすみにいたのは、赤ん坊だった…。たびかさなる戦乱で荒廃した、アフガニスタン。家族をさがして荒野をさすらう少女が旅の途中で見たものは。
著者等紹介
エリス,デボラ[エリス,デボラ][Ellis,Deborah]
カナダ・オンタリオ州で育ち、17歳のころより、非暴力、平和運動、女性解放、反戦等の政治活動に参加。現在は、トロントの精神障害者の施設でカウンセラーとして働く。カウンセラーとしての仕事のほか、作家活動、アフガン難民を支援するNGOの中心人物として活躍中。『Xをさがして』(さ・え・ら書房)で、2000年度カナダ総督文学賞(児童書部門)を受賞
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
1955年、福岡県生まれ。九州大学教育学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
76
2018年408冊め。前作で疎開していた母ときょうだいの住む町がタリバンの爆撃を受けたと知る少女。シリーズ2作目の本書では一緒に母を訪ねて旅をしていた父が力尽き、アフガニスタンの大地を一人彷徨うことになる彼女の姿に胸が苦しくなった。旅の途中に出会う孤児たちとの綱渡りの生活は「火垂るの墓」を思い出した。2002年刊行であり、難民キャンプの取材を基に書かれた本書だが、この彼女らは今どうしているのだろう。2018/07/30
アイアイ
16
続編、今回はより飢えに苦しみ戦争が激化した中を子供のみで荒野を旅する話です。赤ん坊の男の子を助け、片足を失った口の悪い少年アシフ、地雷原の中で祖母と二人で悪臭漂う住まいに暮らすレイラと出会います。誰もが家族を亡くし、わずかな食料もなく誰に攻撃されてるかも不明な混沌とした中で、男装しながら他人の子供たちを助けていく主人公。地雷で吹き飛ばされた持ち主の遺品、それを拾って別の誰かが生き延びる。死ぬほどの思いで辿り着いた難民キャンプ「こんなものか」と絶望する場所でした。思わぬ最後、3巻に続く・・▽図書館2017/02/14
timeturner
8
うわあ、これまで読んだ中でいちばん苛酷な子どもの旅だな。同時に、いちばん勇気に満ちた物語でもある。それにしてもアフガニスタン、悲惨すぎて胸が痛い。2016/06/25
moe
6
「続・生きのびるために」状況は更に苛酷になり、主人公のパヴァーナは家族を探してあてのない旅に出ます。口ではいろいろ言いながらも助け合う子どもたちは「はだしのゲン」を彷彿とさせます。子どもたちに紹介したいです。2011/04/24
タバサ
4
これは、20年程前に書かれたものですが、未だ難民キャンプは存在していて、地雷も埋まっている地域があり、親を失い、手足を失い、明日をも知らぬ日々を送っている人たちがいる、という現実に悲しくなる。2022/12/16