内容説明
「眼鏡をかけたネズミ」学校のみんなはそう呼ぶ。「いくじなしの弱虫!」と父は言う。ちびで顔色が悪く近眼のヘルベルトは14歳。夢の中にしか逃げ場がなく、甘いものを食べるのだけがなぐさめだ。クローナヴィッター夫人、少年がいつもチョコレートを買いに行く菓子店の老女。家族はいない、老いた飼い犬が1匹。同じ町の同じアパートに住む少年と老女。世代の違うふたりを結ぶ接点は、ただそれだけだった。だがある夜、彼らは運命的な関わりを持つことになる。少年が父からもらったばかりのナイフで車に傷をつけるのを、老婦人が目撃したからだ…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
2
繊細な少年の心理を描いている その描き方が半端ではない 文章に読んでいる内に引かれていく自分が分かった こんなすごい本あまり読んだ事がない ラストに書かれてある衝撃をじっくり受け止めて欲しい 読むべし 2014/07/04
soran
2
プレスラーという作家はほんとうにすごい! この作品も、YAの枠を超えた傑作。それぞれが傷を抱えて生きる人の営みというものを鋭く描き出している。戦中戦後のドイツの混乱期、そこを生き抜いた女性たちの苦労などもしのばれ、ほんとうに奥深い。目立たないおとなしい子が突然キレる、その内面をじつに痛々しく描いているのも印象的。2009/12/05
必殺!パート仕事人
1
これ、どんな読み方したらいいんだろう。救いようがない話、というのが感想だ。2023/02/25
田(゚_ 。)村
0
1998/04