内容説明
日本はどんな国家であるべきか。戦争によって否定され、平和によって見失われた日本の国家像とは―。『国破レテ』の戦中派作家が、憂国の心情をこめて、国家としての日本を問う。
目次
1 桜の木の下で
2 貧しさと名誉と
3 日本軍隊の軌跡
4 「国家」との遭遇
5 天皇と軍旗と
6 個人と戦争体験
7 日露戦争と「軍旗山」
8 「明治日本」と昭和の断層
9 戦争を検証する五条件
10 閉じられたままの「戦争体験」
11 「偽りの国家」の清算
12 あれは「間違った戦争」だったのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アンゴ
0
「日本はどうなるのだろう」と嘆く日本人に、予想を聞きたいわけではなく「日本はどうするべきか、どうするか」という自分たちの意志、行動の決意を聞きたいと外国が苦笑する日本国。今この時にこそ、最低でも政治家、教職者、公務員に、できれば日本人全員に読んで、日本人だけが意識的に考えないようにしている「忘却された国家の原理」を考察したい。客観的内容を正直かつ率直で公平に、清水の様に涼やかで他に言い換え様のない名文で叙述。明快な論理はのどの奥につかえた異物を腑に落とし、割り切れない今の日本の姿を浮き彫りにする2012/06/24