感想・レビュー
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印度 洋一郎
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1951年、社会主義化して間もないチェコスロバキアで、共産党古参メンバーにして、外務次官であった著者が逮捕され、裁判にかけられた前後の状況を自らものした手記。この時期、東欧の社会主義諸国では同じような指導部内でのソ連の意を受けた粛正が横行していた。この上巻は逮捕されてから、裁判に出廷させられる直前の獄中の模様がほとんど。この時に逮捕された人々は、チェコスロバキア共産党の創設時からの党員であり、1930年代のスペイン内戦等国外での活動経験がある者が中心で、スターリンの大粛正と同じ志向が感じられる。2025/04/07