内容説明
ヴィクトリア朝で最も恐れられた悪党、モリアーティ教授のモデル、生涯たった一度しか捕まらなかった知能犯、ゲインズボロの名画を盗み密かに所持していたロマンチスト…。いったい何者なのか。
目次
駆け落ち
すばらしい戦争
マンハッタンのギャング
プロフェッショナルたち
強盗たちの花嫁
パリのアメリカン・バー
公爵夫人
ジキル博士とワース氏
冷たいトルコ
貴婦人、レセプションを催す
求愛と誘拐
おたずね者の女
マイ・フェア・レディ
社交界の女王、キティ・フリン
泥棒に仁義なし〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずこまめ
4
まるで映画を観ているよう。 悪銭身につかずな人生やピンカートンとの信頼関係を見ていると、真面目に働くのではダメだったのかなぁと思ってしまう。2020/02/08
tei
1
実在した、「怪盗」と呼んで差し支えなさそうな印象を受ける大泥棒、アダム・ワースの生涯を、当時の手紙類や新聞、探偵社の記録等から描き出している。こんな泥棒が実在したのか、という感慨に浸れるが、全盛期には豪奢を極めた彼の最期はあまりに質素で、犯罪で手に入れた富の儚さを感じる。生涯暴力的な略奪は行わず、仲間を大切にし、仇敵であった探偵と和解し、最後には家族と共にあろうとした孤独な泥棒の物語。2019/05/26
鼻毛カッター
1
紳士と怪盗という二重生活、殺しはおろか誰も傷つけない鮮やかな手口、仲間を絶対裏切らず、体制側(追う側)であるピンカートンとの奇妙な関係、本書でも言及されたホームズのモリアーティを越えて、ルパン三世やキャッツアイなど日本の漫画にも多大な影響を与えたと思われる実在の人物の評伝2010/07/04
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