出版社内容情報
東京の都市化・近代化を進めたといわれる関東大震災(大正12年/1923年)は、実は人々に過去への郷愁や土地への愛着を呼び起こす契機となった。民俗学や民藝運動の誕生、民謡や盆踊りの復興は震災がきっかけだ。その保守的な情動は大衆ナショナリズムを生み、戦争へ続く軍国主義に結びつく。また大震災の経験は、合理的な対策に向かわず、自然災害への無力感を〈精神の復興〉にすりかえる最初の例となった。日本の災害時につきまとう諦念と土着回帰。気鋭の民俗学者が100年の歴史とともにその精神に迫る。
内容説明
東京の都市化・近代化を進めたといわれる関東大震災(大正12年/1923年)は、実は人々に過去への郷愁や土地への愛着を呼び起こす契機となった。民俗学や民藝運動の誕生、民謡や盆踊りの復興は震災がきっかけだ。その保守的な情動は大衆ナショナリズムを生み、戦争へ続く軍国主義に結びつく。また大震災の経験は、合理的な対策に向かわず、自然災害への無力感を“精神の復興”にすりかえる最初の例となった。災害時につきまとう日本人の諦念と土着回帰。気鋭の民俗学者が震災後100年の歴史とともにその精神に迫る。
目次
第1部 関東大震災という“大事件”(“当事者性”と“非当事者性”;流言蜚語が招いた暴力;復興と奉仕と)
第2部 100年の呪縛(破壊から生まれた“郷愁”;中央と地方と戦争;“郷土”を滅ぼす開発;呼びおこされる“自然回帰”)
第3部 災害を“社会現象”として捉える(何を捉えそこねたのか;“天譴論”再考;“運命論”の心理的効用 ほか)
著者等紹介
畑中章宏[ハタナカアキヒロ]
1962年大阪生まれ。民俗学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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