内容説明
一九七〇年。学生運動が終焉へと向かうなか、少女マンガの変革を目指した女性たちが東京練馬区の二軒長屋にいた。中心は萩尾望都と竹宮惠子。後に「大泉サロン」と呼ばれ、マンガ家のタマゴたちが集ったこの場所で、二人は互いに刺激を受け合い、これまでタブーとされた少年愛やSFといった分野で先鋭的な作品を次々生み出し、少女に熱く支持される。だがその軌跡は決して平坦ではなかった―。『ポーの一族』『風と木の詩』等、名作誕生のプロセスを追いながら、二人の苦悩と友情、瓦解のドラマを描く意欲作。
目次
第1章 幼年期の終わり(一九四九年生まれ、あるいは「花の24年組」;手塚治虫 ほか)
第2章 大人は判ってくれない(マンガへの弾圧;トキワ荘グループのブレイク ほか)
第3章 ガール・ミーツ・ガール(専門学校生・萩尾望都;大学生・竹宮惠子 ほか)
第4章 キャベツ畑でつかまえて(増山法恵の状況認識;「COM」一九七一年一月号 ほか)
第5章 長いお別れ(隠されたメッセージ;その「距離」は果てしなく ほか)
著者等紹介
中川右介[ナカガワユウスケ]
作家・編集者。1960年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、代表取締役編集長として雑誌「クラシックジャーナル」ほか、音楽家や文学者の評伝や写真集の編集・出版を2014年まで手がける。クラシック音楽をはじめ、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガにも精通し、現在は作家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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