出版社内容情報
乱交、夜這い、混浴、春画、秘具。Hでユーモラス、成熟した性の大国ニッポン!貴重な図版多数。
内容説明
日本の歴史にはエロが溢れている。国が生まれたのは神様の性交の結果で(そしてそれは後背位だった)、奈良時代の女帝は秘具を詰まらせて亡くなった。豊臣秀吉が遊郭を作り、日露戦争では官製エロ写真が配られた。―本書ではこの国の歴史を彩るHな話を丹念に蒐集し、性の通史としていたって真面目に論じてゆく。「鳥居は女の大股開き」「秘具の通販は江戸時代からあった」など驚きの説が明かされ、性を謳歌し続けてきたニッポン民族の本質が丸裸になる!
目次
第1章 エロくて偉大な神様たち―神話~古代
第2章 歴史の始まりとエロ―飛鳥~奈良時代
第3章 エロが昂じる王朝文化―平安時代
第4章 戦乱の世を癒すエロ―鎌倉~安土桃山時代
第5章 花開いた大エロ文化―江戸時代
第6章 近代、官製エロの時代―明治~昭和時代
著者等紹介
下川耿史[シモカワコウシ]
1942年、福岡県生まれ。著述家、風俗史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
23
著者いわく初めての性の通史とのことだが、どちらかというと雑学エピソード集になっている。乱交夜這い混浴遊女と豊かな(?)日本のエロ文化を神話から権力中枢、果ては庶民の文化まで広く集めているのは大した仕事である。鳥居は女性器を模しているという説なんて初めて聞いた。平安の官能文学にペニスを擬人化させたものがあるなんておもしろ知識もある一方、中世あたりはエロの読み込みが過度な側面もあるものの、そうしたエロ文化全体が近代化とともに抑圧されたと批判するとこまで読むと楽しいだけではすまず、想像以上に真面目な一冊でもある2020/12/28
RASCAL
20
歴史解釈には疑問を感じる部分がないでもありませんでしたが、総じて性に対しておおらかだった日本が、朱子学とキリスト教をはじめとする西洋文化、明治以降の政治権力によっていかにゆがめられたかということが分かりました。一昨年、永青文庫で行われた春画展を見ましたが、あれはあれで芸術と思います。松平定信、温室育ちのエリートってやつは、いつの世もろくなことをしませんね。パートナーからなら非難されても当然ですが、不倫をすると世間から非難される昨今の風潮も、この延長線上なのでしょうか。2017/11/29
ユウユウ
18
著者も述べているがエピソード的。エロティックなことを扱ってはいるけれど、意外と真面目に日本の性の歴史が語られてはいる。ここから深掘りしていくと面白いかもしれない。2021/07/28
はふ
13
「エロは徐々にタブーになっているのか、それとも解放的になっているのか」という問いを解決したく、私は本書を手に取った。古事記からの猥褻な描写から始まり、江戸土台のエロ文化の開花まで、エロは日本内で大きく発展してきたが、近代化とともにエロは徐々にタブー化されていくという流れを辿っていることがわかった。しかし、エロが現代において、そこまでタブー視されているだろうか?下ネタや猥談は割と一般的ではないだろうか。 この奇妙な状況は、言論の自由の発展により引き起こされ、タブーにおける言葉と行為の奇妙な乖離を生むのである2021/03/28
jinya tate
10
図書館本。江戸時代までは雑学的な事柄が羅列的に並ぶ。ネタ本としての価値あり。出版や盆踊りを巡る官憲と民衆の対立が興味深い。浮世絵は塵芥と化し、年に1回の出会いの場であった盆踊りを禁止された若者の思いはいかばかりであったろうか。2023/04/09