内容説明
モチベーション高く働く―。意欲が常に湧き上がっている、理想とされる働き方だ。モチベーションという言葉が仕事の場面で使われ始めたのは2008年のリーマンショック頃。以来、時を同じくして職場うつの問題が急浮上。高い意欲を礼賛する風潮が、働き方を窮屈にしたのだ。そもそもモチベーションとは、ささいな理由で上下する個人の気分。成果を出し続ける人は、自分の気分などには関心を払わず、淡々と仕事をこなす。高いモチベーションを維持する人などいない。気持ちに左右されない安定感ある働き方を提言する。
目次
第1章 なぜ、「モチベーション」が問題になるのか?
第2章 なぜ、会社と上司はモチベーションを削ぐのか?
第3章 そもそも、モチベーションは高ければいいのか?
第4章 高いモチベーションが引き起こすメンタル問題
第5章 モチベーションを問題視しない働き方「モチベーション0・0」
第6章 「モチベーション」から「つながり」の労働へ
著者等紹介
相原孝夫[アイハラタカオ]
人事・組織コンサルタント。株式会社HRアドバンテージ代表取締役社長。早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。マーサジャパン代表取締役を経て現職。人材の評価、選抜、育成および組織開発に関わる企業支援を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
92
#読んで良かった。#共感することこの上なく多し!#『意識改革研修』の必要性をぶった切り。#ダニエル・ピンクの『モチベーション』シリーズをやんわり論破!#参考文献を最終ページにリストアップしてほしいよ、幻冬舎さん。#『習慣化』や 『技化』の件で齊藤孝さんを思い出す。#定期的に読み返した方が良い本、という印象。2019/08/18
isao_key
11
長いタイトルではあるが、内容は現代社会で働く人たちを取り巻く環境や問題に対して、いかにして対応すべきかが述べられている。高度経済成長期と現代を比べ、当時は終身雇用と年功序列が守られ、さほど能力のない人でも毎年給与が上がる仕組みができていた。ところが現代では成果主義が採用され、上司の評価結果により処遇に大きな差が出る。特にダメな上司ほど公平な評価ができないとある。その中で自分を高めるには型を身につけることだという。未熟な段階で意味も分からずひたすら繰り返しを行うことで型ができ、徐々に意味が分かるようになる。2014/03/16
kanaoka 56
10
心の不安定なモチベーションに頼らず、安定した労働環境を整えるものとして、道としての労働(習慣化)と他者とのつながり(社交)を提唱。しょせん世俗の会社勤めの処世術の話、少し消極的すぎるようにも思う。 強い意思、モチベーションは、現況に甘んじず、改革をもらたし、環境の枠組み自体からも抜け出すトリガー。人間にとって気持ちのいい事が、ビジネスとしていいとは限らない。 従来型の社会コミュニティとしての会社の枠組みは崩壊し、ビジネス目的に合理的に徹した割り切りが重要。機械・AI化が進めば社会から仕事は無くなるだろう。2016/03/25
abekinu
10
最近、仕事に対してモチベーションが上がらないと感じており手にした本。モチベーションが注目されたのはリーマンショックから。もっと昔の日本の職人社会ではモチベーションという考え方もあまりなかった。モチベーションを上げることを目的にしてはいけない。まずは何も考えずにやってみたり動いてみたり、仕事に対する考え方を変えてみる。無理せず、自分に合ったやり方で。2014/06/14
ホセ
9
モチベーション高い人の危うさが書かれているところが面白かった。「モチベーション3.0」がなぜ実現しないのかが本書を読むとよくわかる。個人の勝手ワガママなモチベーションよりも「人とのつながり」が仕事では必要。最近読んだモチベーション系の本の中では一番、現実解に近いのではないかと思った。2013/06/02