内容説明
「オープンスカイ」(=空の自由化)の世界的潮流でアジア各国が空港を整備し飛躍するなか、日本は致命的な後れを取った。羽田空港は頭打ちの国内線中心。米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港は、「アジアの玄関口」の座を周辺諸国に奪われて久しい。鳴り物入りでオープンした関西国際空港をはじめ、全国津々浦々99の空港のほとんどが火の車だ。その補填のため毎年5000億円もの税金が垂れ流し。そんな航空行政の呆れた実態を緊急告発。
目次
第1章 静岡空港「開港延期」の裏事情
第2章 オープンスカイという逆風
第3章 成田空港の呪縛
第4章 泥沼の関空経営
第5章 赤字「空港」の支え「空整特会」
第6章 激変する世界の空
第7章 生き残り策
著者等紹介
森功[モリイサオ]
1961年福岡県生まれ。岡山大学文学部卒。新潮社勤務などを経て、フリーランスのノンフィクションライターとなる。「月刊現代」に連載した「ヤメ検―司法に巣喰う生態系の研究」と「同和と銀行」が二年連続して雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まめタンク
10
日本には現在99の空港がある。都道府県の倍近い数だ。おらが村にも空港を、とばかりに日行政は空港を乱設してきた。空港の財源は空港特会と呼ばれ、プール制を敷いている。空港利用者から毎回2000円近くが徴収されている計算になる。空港特会の財源5000億円ほど。日本の空港は9割近くが赤字だという。本書のタイトル「血税空港」とあるように、空港の未来は血税の未来と言えるだろう。2011/08/18
あらあらら
4
地方空港がダメなんだろう思ってたら、成田や関空も福岡もダメなんだ!2014/11/21
tomo
4
日本の航空行政がいかにダメダメなのかを、これでもかとばかりに論じた新書。世界的潮流であるオープンスカイへ乗り遅れそうな日本、赤字にあえぐ地方空港、仁川空港にハブ空港のポジションを持っていかれるといった話は、ほかの雑誌などでもしきりに指摘されている問題だが、こうして1冊にまとめてみるとなかなか読み応えがある。ルクセンブルクの空港が貨物便で潤っていることは知らなかった。2009/07/28
mochizo
3
10年位前の本だが、言っている理論は変わらないと思います。ただ、この時代ほど「成田は国際、羽田は国内」という風潮は無くなりつつあります。また、能登空港のような優秀な空港運営しているところもあるのですね。地方空港駄目のようなひとまとめの考え方ではなく、いいところは伸ばすという考え方も必要でしょう。2019/02/08
konaka
3
3/5 郵政も法曹も空港も「年次改革要望書」に沿ってすすめられる。51番目の州の面目躍如といったところか。2009/10/01
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