内容説明
ラブandベリー、『赤い糸』、初音ミク…これらは異例のヒットを記録するゲームやケータイ小説、ソフトウェアの名前である。一般的知名度は低いが、小学生や女子高生、ネットユーザーなど一部の間で大流行している。なぜこうした局所的なカーニヴァルが近年ミリオンセラーを生み出すのか。「わたし」が欲しいものを追及した「わたしたち」がつながり、盛り上がり、生まれる「わたしたち消費」は、まさにウェブ時代の新ビジネスを拓く現象といえるのだ。
目次
第1章 「それって人気なの?」―姿の見えないヒット商品(「脳トレ」に匹敵する人気ゲームたち;日本の人口を超えるヒット、カードゲーム ほか)
第2章 「みんな」から「わたし」へ(「みんな」意識はどこから来たか;「大衆の消滅」と「感性の時代」 ほか)
第3章 わたしたち消費の時代(ネタ的コミュニケーションから生まれる市場;共同体から共同性へ)
第4章 わたしたち消費のマネジメント(共同性のサイクル;感染を拡大する ほか)
第5章 わたしたち消費のさらなる拡大メカニズム(共感力と発信力に優れたわたしたち拡大層;共振する社会の消費の行方)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
msykst
2
再読っす。出版から一年しか経ってないのに,既にこの本に出てくる固有名に懐かしさ(正確に言えば「あー,そんなのあったねー!」って感覚)を感じてしまうっていうその事実。それがこの本の正しさを証明している希ガス。2009/01/04
chikapie
1
発行が2007年だったので、今読むと書いてあることに新鮮味はない。けれど、世の中の実態は今もこの本で言われているものと変わらない気がしました。 時代は確実に変わっていくけれど、それをリアルタイムで感じるのはなかなか難しいのかもしれません。2018/08/11
レコバ
1
読後に引っ掛かりの無さを感じてしまうのは、スパっとした切り口があるわけでもなくネチネチとした掘り下げがあるわけでもないからで、”社会を部分的に切り取って観測しました”的な内容だから2013/09/14
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
1
☆×3.5…内容がスッカスカ、と言うか中途半端な気がするのは気のせいでしょうか。確かにごもっともなところはごもっともでしたが基本的に???なところが多すぎます。まあケータイ小説を槍玉に挙げていた自体であまりいい気はしませんでしたけどね…思っていたほど内容は濃くありませんでした。2011/08/09
バーニング
0
確かにこれ一冊だけでは内容がさほど濃くない気がするけど、『カーニヴァル化する社会』とセットで読めば議論をより深くキャッチアップできる気がする。あと、共同体から共同性へという話が第四章で展開されており、昨年出た『ウェブ社会のゆくえ』と絡めて読むべきだろうとも思う。流行り方や層は違うが、ケータイ小説の市場化とネット小説の市場か2014/11/03