内容説明
9歳でプロを目指し、12歳でプロ棋士になり、26歳で七冠になった。リスクを背負ってこそ勝利は掴める。常識外と言われようが自分の最善を信じ抜く。七冠同時制覇の最強囲碁棋士が初めて明かす思考法。
目次
第1章 なぜ打ちたい手を打つのか―リスクを受け入れる決断法
第2章 僕の原風景―囲碁を始めてから初タイトルまで
第3章 七冠全制覇までの歩み―諦めない気持ちが大仕事を生む
第4章 直感と読みの相互性―何が独創を育むのか
第5章 囲碁は勝負か芸術か―盤上の真理を追い求めることの意味
第6章 棋士という職業―勝つために何をするのか
第7章 世界戦に燃える―日本碁界への提言と世界一への想い
第8章 囲碁界の未来―人工知能という新たな強敵
著者等紹介
井山裕太[イヤマユウタ]
囲碁棋士。1989年5月24日生まれ。大阪府出身。石井邦生九段門下。日本棋院関西総本部所属。2002年に十二歳で入段を果たし、プロ棋士となる。2005年、十六歳四ヵ月で亜含・桐山杯を優勝し、史上最年少記録を更新。2009年には。七大タイトルの一つとなる「名人」を奪取。二〇歳四ヵ月で史上最年少名人となり、九段に昇段。史上三人目の七大タイトルグランドスラム、史上二人目の大三冠を達成。2016年4月、囲碁界史上初の七冠同時制覇(棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段)を成し遂げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
61
張栩に勝ちたい一心で「リスクを冒しても打ちたい手を打つ」と決めたことが、七冠への原動力になったようだ。一見、棋士という職業は自由があって羨ましく感じるけれど、読んでいくうちに、囲碁の着手もいろいろな制約を受けていて必ずしも自由ではないのが解る。そういう中でリスクももちろん考慮した上で打ちたい手を打つという姿勢は、私のように組織の中で働く者にとっても大変参考になった。若い頃は「本当の自分」を探そうと焦っていたが、今はそれよりも「打ちたい手」を大事にしようと思う。打ちたい手があるということは生きている証しだ。2017/06/01
ホッパー
56
囲碁の世界で七冠を取った時の心境や、勝負の場に臨む時の心の置き方などが丁寧に語られている。2022/10/23
ざっく
11
投稿の数を見ると、思ったより読まれていないんだなあ。囲碁が将棋より広まっていないのは、ルールが難しいからなのかな。定石を抑えつつ、定石を外すべきタイミングで斬新な一手を打てるのがセンスなのだろう。試合からは成長のヒントを得て、それに没頭すること、それが勝ち続ける人の考え方なのかな。多くの数をこなすこと、分析と反省を行うこと、そして好きなままでい続けられること、一流の人は同じことを言ってやっているような気がする。2023/04/08
緋莢
11
初心者用テレビゲームでルールを覚え、母親が応募したTV番組への出演をきっかけに、石井邦生九段と出会い、指導を受けるようになった著者。12歳でプロ棋士になり、20歳4か月で史上最年少名人となり、26歳で史上初の七冠同時制覇を成し遂げた。七冠を保持していたのは197日、名人を失った対局の最終局は「お粗末だったのではないか」と不評だったが、「打ちたい手を打つ」という信念を貫いていた結果だった。囲碁を始めてからプロになり、七冠制覇するまでの歩み、国際試合と人工知能との闘いなどを最強囲碁棋士が書く。2017/06/14
しんたろう
9
自分は井山ファンだ。彼は囲碁棋士で日本棋界では7冠制覇を達成した。(現在は6冠) この本は彼が勝負に対する考え等を語っている。若干27歳の彼は現在の日本囲碁界を背負っているが、今後は世界戦にも意欲を示している。来月には彼と”人工知能”が参加する世界戦イベントも控えており、観戦するのが今から楽しみで「矢も盾もたまらない」※この言い回しは何だ? 昔の武将は戦に出るのが楽しみだったのか? 戦場では命を落とす事もあるだろうが、武士は己の死を賭けてでも武功を上げたかったのだろうか! 2017.2.232017/02/23