内容説明
妻との離婚以来5年ぶりに会った愛娘とともに、テーマパーク・ドリームランドを訪れた元刑事の仲山。楽しい時間は束の間、2人が観覧車に乗った直後、何者かによって観覧車が乗っ取られ、人質となってしまう。「小人」を名乗るジャック犯に連絡役として指名された仲山と娘・凛の運命やいかに。そして、地上で事件解決の指揮を執っている貝崎は、5年前のクリスマスイヴに起こった未解決事件に関して互いの秘密を握り合う因縁の相手で―。絡み合う二つの事件とそれぞれの思惑。ドリームランドを象徴する巨大観覧車に隠された衝撃の真相とは。
著者等紹介
由野寿和[ユウヤトシオ]
1990年福岡県生まれ。高校を卒業後に単身渡米。物語を愛する精神のもと作品を執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
61
クリスマスイブに起こった観覧車ジャック。娘とドリームランドを訪れた元刑事の仲山は観覧車に閉じ込められてしまう「小人」を名乗る犯人からの不気味な定期連絡。犯人により観覧車がひとつまたひとつと落下させられ乗客は命を失っていく。また観覧車の外で指揮をとる警察官の貝崎は仲山の因縁の相手。見えてこない犯人の意図、背景にある過去の悲惨な事件。誰もが何かを隠し誰もが怪しく見える。絡み合う思惑の行着く先は…。設定は面白いのに全体的に淡々としすぎていて緊迫感がないのがもったいない。また動機も少し無理があるのが残念だった。2025/02/08
はっせー
49
久しぶりのミステリー。緊迫感×没入感がすごかった!テンポも良くてスラスラ読むことが出来た。舞台は遊園地。娘と2人で観覧車に乗ることになった主人公仲山。観覧車を楽しんでいるときに突如観覧車が停止。前代未聞の観覧車ジャックが発生。現在起きている事件と5年前の事件とのつながり。登場人物の思いが錯綜しながら話が進んでいく。最後までずっとおもしろいという感覚を味わえたミステリーは、本当に久しぶりであった。読めて本当に良かった作品!2024/10/10
まる子
26
元交番勤務の刑事、中山は小1の娘、凛とドリームアイランドの観覧車に乗った。小人を名乗る人物の指示、ゴンドラの落下、身代金の要求。これは5年前のあの事件へと続いていたー。家族との別離を選び、この5年間あの事件を忘れた事はなかった。犯人が交錯する中、誰が首謀者?小人は?元同期とその部下、秘密の通路、元妻、全てが疑わしい。あの子は自分が守ってあげられなかった後悔をこれで終わりに…。黄色いスイセンの花言葉は「再愛」、十字架に磔にされて死んだ事を確かめた槍を「聖槍」というそうだ。クリスマスイヴに起こった復讐劇!2024/12/12
のりすけ
25
観覧車がジャックされた。犯人マジで観覧車落としやがった。要求は何やねん!から始まるサスペンス。みんな怪しいけど、特に怪しかった人がやっぱり犯人でした…からの真相。落とされた人やほかの人質になったお客のことには一切触れないので、その恐怖や緊迫感を想像するしかないのも辛し。絶対モラシータがいたはず。私は耐えられる自信ないですね!キッパリ!!2024/08/24
達ちゃん
23
由野さん、初読です。観覧車ジャックというレアな設定でスピード感もあり、ハラハラな展開に引き込まれました。すごく面白かったです。2025/01/31