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内容説明
夏目漱石は、世界に先駆けた文学理論書『文学論』でシェイクスピア作品を最も多く引用しているばかりでなく、東京帝国大学での講義録やメモ・蔵書書き込みなどでもその「面白さ」を盛んに称讃・解析している。かつそこには、作家漱石がこの文豪の手法を自作に生かそうとした形跡も探知される。そもそも文学が「面白い」とはいかなる「事実」に由来するのか?―本書では、漱石の「批評的鑑賞」の姿勢を継承し、“シェイクスピアに向き合う漱石”の全貌を明らかにしたその先に、『こころ』など主要作品の深層を浮上させる。
目次
ぎょっとするオセロ・マジック
沙翁の筆端神あるを知れり―『リチャード三世』『ジュリアス・シーザー』
俺たちはみんな悪党だ―『ハムレット』と仮対法
矛盾の多い男と女―漱石の仮対法
悪魔は暗示する―『「オセロ」評釈』を読む
苦痛に釘付けのリアル―『オセロー』『行人』『マクベス』
〓徊趣味・推移趣味と“〓理論”―『草枕』の実験と『オセロー』
金剛石の様な女―『虞美人草』と『アントニーとクレオパトラ』
無意識な偽善家―『三四郎』と平塚らいてう
因縁和合の層々塁々―ズーダーマンの女、禅する女
「F+f」の悲劇的リズム―『こころ(下)』の解剖
『こころ』のイアゴーは誰か―御嬢さんの幸福
著者等紹介
佐々木英昭[ササキヒデアキ]
学術博士(東京大学/比較文学比較文化)。鳥取県米子市生まれ。東京工業大学、愛知県立芸術大学、名古屋工業大学、龍谷大学の教員を経て、著述家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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