内容説明
「旅人って、すごく強い絆でつながっているんだ」東南アジアを旅していた哲也は、心臓の病に倒れ、愛するギターを失くしてしまう。悲しむ友の姿を見た祐介は、日本を飛び出すことを決意する―。実話をもとに綴られた、感動のストーリー。
著者等紹介
松原良介[マツバラリョウスケ]
1980年5月19日北海道札幌生まれ。札幌市内の高校を卒業後、上京。2014年、友人のギターを探すため、世界一周の旅に出る。訪れた国は100ヵ国を越える。2017年帰国。関西を中心にイベント等で旅の話を通じて移植待機者の思いを伝える活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
50
言葉にならない気持ちを紡ぐのが旅であるかのように、奏でる音に惹かれたかのように巡り合う人と人との出会いを繋ぐ縁は...そうかもしれない。助からないかもしれない現実を背負っての旅に生命力を感じた。それは多くの人を動かし繋げ思い出を辿り探し求めた旅が身体に生命を吹き込むかのような感動があった。 旅に出よう、旅の記録を残そうと思えた作品。読んだタイミングが...上手く言えない。絶妙とは違う。病院のベッドの中での葛藤や、臓器移植の現実、心臓マッサージは肋骨が折れてもという言葉が心に響く。2021/08/29
J D
44
読友さんからのおすすめの本。良かった。読んでて人の純粋な心に触れることができた。旅と人の繋がり。私も学生の頃、ぼちぼちと海外に旅に行っていて、その頃のことを思い出しました。背中に翼が生えた気分になれた。友だちに勧めたい!2022/07/01
miwa
39
ノンフィクションものが好きで、レビューを参考にして読んでみましたが、素敵な名作に出会いました。 ただのバックパッカーの旅話かと侮っていましたが、、、これはもう鳥肌ものです!! 感情を揺さぶられながら一気に読ませていただきました。 旅、人生、友情、絆、移植、臓器提供。 これはいろんな意味で是非映画化して欲しい。 っていうかされると思う。 ネタバレになるので詳しく書けませんが、ひとつだけ。 最後の一行にこめられたメッセージ深すぎて、えっ!?まさか!?ってなります。 描写が独特でお勧めの一冊です。
ohana
26
読む人の視点によって最後の解釈がかわるという実によくできた面白い作品でした。読みにくいと思ったら「あ、そういうことか」と。 心臓移植を待つ方のつらい現実に、思わず目を背けたくなりましたが、旅というフィルターがそれを緩和してくれているようでした。 こんな素敵な出会いがあるのなら、バックひとつで海外に行ってみたいと思いました。2022/07/03
taku
21
このタイトルは良本に違いないとの謎理屈で手に取り、謎理屈が成立した異色の旅本。心臓に病を患った友人が、旅先の異国で失くしたギターを探す旅なのだ。旅人は引き寄せ合う、音楽は心を繋げる、そして希望と想いが紡がれる。確かに奇跡のようなお話だ。自分以外も当人視点なところは気になっていたが、こうして語るべきだったのだろう。誰かのために行動する強い気持ち。言葉では伝えきれない、でも言葉にしなくたって十分伝わる。日本の臓器提供事情も少しわかった。俺の適当嗅覚、まんざらでもない。2021/07/27
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