内容説明
地域活動とは、地域のコミュニティの中で住民が主体的に行う活動である。祭の運営、あいさつ運動、キャンプなど、内容は多岐にわたる。そこでは、小さな子どもから学生、社会人や主婦まで、年齢や立場の隔てなく「地域」というつながりのみでつながり、ともに活動していく。地域活動は、青年や少年たちに大きな成長を促す。年長者は年少者の世話をすることで、年少者は年長者に導かれることで成長することができるのだ。また、地域活動には学校や家庭、会社など、自分の所属するコミュニティ以外の居場所をつくることで、視野を広くするという働きもある。インターネットでの希薄なつながりでは得られない充実が、そこにはあるのだ。本書は、地域活動によって得られる人間的成長を、実際のレポートを通して伝える作品である。
目次
第1章 現代の私たちの暮らしとコミュニケーション―人の発達における「地域」の大切さ(ネットに囲まれた私たちの生活―コミュニケーションとネット環境;「直接的なコミュニケーション」体験の必要性とその驚くべき詳細 ほか)
第2章 青年が地域の活動に関わると何が起こるのか―大学生A君の9カ月の地域ボランティア活動と心の変化(A君のボランティア活動の概要;A君のボランティア活動の詳細)
第3章 学生の地域ボランティア活動はどのように学生の人生に波及していくか(事前面接;1年目の活動を終えての面接 ほか)
第4章 地域住民の地域ボランティア活動はその人の発達にどのような影響を与えるか(女性Dさん親子の事例;男性Fさんの事例 ほか)
第5章 まとめとして青年(や大人)にとって地域は「家族」であり「出発」の場所(青年たちにとって地域とは)
著者等紹介
新谷和代[シンタニカズヨ]
1962年富山県生まれ。帝京大学文学部心理学科助教。お茶の水女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修了。著書に『発達心理学事典』(分担執筆、丸善)、『子ども・青年の生活と発達』(分担執筆、放送大学)。育児中、地域に暮らす人々が行っている地域活動の面白さに触れたことをきっかけに、授業や研究の一環として学生たちと一緒に地域活動に参加している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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葵