出版社内容情報
毎日をただこなすように生きてきた「超絶まじめなシャイボーイ」の中学2年生の主人公。憧れていた7歳年上のいとこが亡くなり、意気消沈の彼のスマホに、死んだはずのいとこから指令のメッセージが届き…主人公の非日常が始まった。
内容説明
毎日をただこなすように生きてきた平凡な中学生のキートは、死んだはずの7歳上のいとこから、天国にたまねぎを密輸するバイトを持ちかけられた。ついでに、死後も更新が続くいとこのSNSの乗っ取り犯さがしも命じられる。突然訪れた非日常。その中で、自身の平凡さをもてあまし、非凡であることに憧れと恐れの両方を抱いていたキートが、最後にたどりついた真実とは…。
著者等紹介
久米絵美里[クメエミリ]
1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。『言葉屋』で第5回朝日学生新聞社児童文学賞、『嘘吹きネットワーク』(PHP研究所)で第38回うつのみやこども賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
33
大好きで憧れていた7歳上の従兄弟志真人が心不全で急死。その志真人の幽霊?から、志真人のスマホのSNSのアカウントが乗っ取られているのでと、犯人探しを頼まれるキート。その時に天国には玉ねぎが無いので、報告に来る時に玉ねぎを持ってきて欲しいと頼まれる。志真人さん、本当に玉ねぎが好きなのか?(意味がわからなかったです)志真人の大学の同級生渡辺紗都子に接触したことから物語が進んでいく。志真人さんと紗都子さんの関係、特に紗都子さんの言動や心の内が理解できず、読んだ感想は、わからないしか書けません。2024/10/21
まる子
27
僕、キートが八月の終わりから二か月ほど経験したこと。従兄の志真人が急に亡くなった。そして彼は僕の前に突然現れた。亡くなったはずの従兄のSNSアカウントが更新されている。なぜ?犯人は誰だ?犯人を探すうちに明らかにされた僕の知らない志真人の真実、紗都子が何か関わっていようだ。平凡な僕が知る様々な非平凡。人によっての「ふつう」は違うし、だから大切にしなければならないこともある。人間みんなおかしくてそれがふつうだ。天国に行く前に、ここで流しておくべきものが、きっと、たくさんあるんだ。天国は笑っている場所だから…。2024/08/10
雪丸 風人
15
第一印象と全然違う!正直、少しだけ読んで続きはいいかな?となった作品なのですが、他の方のレビューに触発されて再挑戦しました。主人公は優柔不断な中学二年生。慕っていた従兄の死をきっかけに、奇妙な体験をするようになった彼が、更新されるはずのないSNSの謎を追うなかで、驚きの真実に行きあたります。はじめは空想的展開にハテナだらけでしたが、あとに来る圧倒的現実で「あーっ!そーいうことか!」と得心。切ない!切ないわ~。アカウント乗っ取りの手口や、デジタル遺産の扱いは勉強になりましたよ。(対象年齢は12歳以上かな?)2024/08/27
ヨシ
6
平凡な中学生キートは、死んだはずの超個性的だった7歳上の従兄・志真人から、天国にたまねぎを密輸するバイトと、死後も更新が続くSNSの乗っ取り犯探しを命じられる。自分の平凡さにコンプレックスを持ち、非凡な志真人に憧れていたキートが、志真人の死を受け入れ、自分の足で立つまでの日々。これって本当に児童小説?がっつりとした骨太の小説は読み応えありで、色々考えさせられた。超個性的な親に育てられ、普通であることを否定され、平凡に憧れていた私にはラストが不思議に感じたが、それもありのおしやれなラスト。最終ページが最高。2025/04/05
ゆり
6
図書館本。たまねぎがないってどういうことだろうと思って読み進めると、最後までたまねぎであることの大事さを理解。主人公は中学生らしく、思春期ゆえの繊細さもあり、応援したくなるキャラクターでした。文章も美しく、面白い表現があったり作者さんの文才に脱帽です。10代の子におすすめの作品かなと思います2024/09/26