内容説明
限られた医療リソースでいかにして最大限の医療を届けるか。地域の身の丈にあった地域包括ケアシステムとは―。小回りの利く仕組みづくりで多職種連携を強化。コンパクトな事業の多角化で医療課題を解決。住民の医療リテラシー向上でケアを効率化。「治す医療」から「治し、支える医療」へ。“身の丈地域包括ケアシステム”で治療と生活支援の両立を実現する。
目次
第1章 医療リソースや抱える課題は千差万別 地域ごとに独自に構築する地域包括ケアシステム(地域で異なる医療の課題;住み慣れた地域で自分らしい暮らし;予想を上回る速度で進む少子高齢化;2025年問題と2040年問題;各市区町村の特性に合わせたシステムの構築;医師はハブ的存在であるべき;「治す医療」から「治し、支える医療」へ;「生活の場」で受けられる医療・介護サービス;介護保険制度が必要とされた理由)
第2章 町のかかりつけ医が地域包括ケアシステムの“ハブ”となる 多職種連携を強化する「小回りの利く仕組みづくり」(「人生100年時代」と増え続ける百寿者;平均寿命と健康寿命の差 ほか)
第3章 デイサービス、グループホーム、在宅医療、居宅介護支援―限られたリソースで最大限の医療を届けるための「コンパクトな事業の多角化」(父の夢を代わりにかなえるために医師に;「地域医療」との出会い ほか)
第4章 予算をかけずに地域包括ケアシステムをよりよく機能させる ケアの効率化を図るための「地域住民の医療リテラシー向上」(「パーソン・センタード・ケア」について;「医療リテラシー向上」への具体的な取り組み;私が講演に呼ばれて話すこと;医療提供側も意識を変える必要が;今働いてくれている職員たちを大切にする;朝礼でみんなの気持ちを一つにする;地域連携室「あざれあ」の研修プログラム;医師にとっては診察室が原点)
第5章 地域の身の丈に合わせれば誰一人取りこぼしのない地域包括ケアシステムを実現できる(エンド・オブ・ライフケアの拠点づくり;取りこぼしのない地域医療・介護に向けて;要支援・要介護状態で退院する人たちのケア;「身の丈地域包括ケアシステム」をどう維持していくか)
著者等紹介
楠部滋[ナンブシゲル]
1969年広島大学教育学部附属高等学校卒業、鹿児島大学医学部入学。1975年鹿児島大学医学部卒、広島大学医学部附属病院内科研修。1977年広島大学医学部第二内科入局、町立西城病院内科医長に就任。1978年に広島大学大学院医学研究科(病理学)で研鑽を深め、1984年広島大学医学部助手を経て連合王国ロンドン大学セントメリー医学校へ留学。帰国後広島大学医学部講師を務めたのち、1987年から広島赤十字・原爆病院検査部長に就任。地域医療を支える医師としての社会貢献を目指し、1991年から国立療養所広島病院の内科医師として再び臨床に従事。1992年に開業、東広島市になんぶ内科医院創立。1999年介護認定審査委員に就任、2004年から一般社団法人東広島地区医師会理事就任。地域包括ケアを積極的に推進し、2016~2018年に東広島地区医師会会長を務める。行政も巻き込んだ地域包括ケアの取り組みが評価され、2014年広島県医師会長表彰、2019年広島県知事表彰(医師の医療功労)を受賞。医学博士。広島空港ロータリークラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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