出版社内容情報
気持ちがあがらない、誘惑に負けちゃう。お困りなあなたにやる気をコントロールするコツを教えます。目標設定、友人関係、ネガティブ戦略など、どれも効果的!
内容説明
怠けたい、相手と比べてしまう、無気力だ…。そうした気持ちを少し変えるためには、心理学の考え方が役に立つ。「やる気」のメカニズムから自分をみつめなおそう。
目次
第1章 やる気は内からわくのか、外からくるのか
第2章 なぜ誘惑に負けてしまうのか
第3章 目標設定で差をつけよう
第4章 やる気を左右する周囲の存在
第5章 ネガティブでも大丈夫?
第6章 やる気がなくなったとき
著者等紹介
外山美樹[トヤマミキ]
1973年生まれ。筑波大学大学院博士課程心理学研究科中退。博士(心理学)。筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授。専門は、教育心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
76
勉強する気になる・ならない・・・を、一つの例として、平易な言葉で心理学を踏まえて、深いことが書かれている。内発的動機・外発的動機、目標、阻害要因・環境。意欲が無くなった時の考え方など、興味が尽きない。自分自身のことを振り返りながら、読み進めた。いずれにしても。100%ということはないし、それ自体も変わりうるものだということを頭の片隅で置いておくだけでも、かなり違うと思う。2022/03/25
venturingbeyond
33
教育心理学の知見を平易にまとめた学習理論の入門書。繰り返されるのは、自己の認知スタイルや動機づけの型、事象の説明スタイルなどをきちんと自覚することが出発点という主張。当たり前だが、「ポジティヴ信仰」のように、対象となる人のパーソナリティの多様性を無視したアプローチが有効なはずがない。あと教育職としては、児童・生徒に自己効力観を定着させる働きかけはマストだと再確認。学習的無力感をもたらさないよう、スモールステップ、エラーに対する受容的姿勢の形成援助を意識して、教科指導・学級経営に取り組まねば。2021/05/05
チャー
19
やる気発生の仕組みや効果的に発現させるための考え方が記された本。専門的な内容が学生向けに嚙み砕いて説明されておりわかりやすい。やる気をコントロールする方法は、ご褒美、環境を変える、負担を抑える、友人に頼る、対象に価値を見出す等があり、状況に応じてそれぞれを使い分けることは有効だと感じた。優れた環境がやる気を引き上げる大きな要因であると考えていたが、場合によっては逆に作用することも。周りと比較してしまうことは仕方ないが、有能感のレベルも重要。無気力が学習されるということもあるという点は気を付けたいところ。2022/04/22
クロメバル
16
マシュマロ実験は対象となった子供たちに偏りがあった、というのは改めて納得。防衛的悲観主義者がポジティブ思考をすると、結果を出せないという実験はおもしろい。2021/05/04
すみ子
12
「外から与えられる動機」(外発的動機づけ)では周りからの承認や報酬が得られなくなると途端に行動しなくなるのに対し、「内からわき出るやる気(内発的動機づけ)では「やりたいから、やる」といった行動につながる。自分を思い起こせば、思春期のある時期から内発的な動機で動くことが減り、周りに認めてもらいたいからやることばかりが自分の行動の大半を占めていったように思う。自分の行動が一体どちらの動機から動いているのか確認してみると自分自身を理解するのに役に立つだろう。そして一番ハッとしたのがセリグマンの犬の記述。→2022/04/17