出版社内容情報
東京のバーベキュー場で起きたヒ素による大量殺傷事件。記者の勝木は、十数年前の北海道灰戸町家族毒殺事件を思い出す。家族が死んだ居間で寛ぎカップラーメンを啜っていた生き残りの少女、赤井三葉が〝また〟殺したのではないか。三葉の行方を追い勝木は北へ向かうが――。「みんな死ねばいい」。灰戸町の女たちの怒りの連鎖が、新たな悲劇を産み落とす。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
TAKA
15
現代で起きた事件と過去に遠く離れた地で起きた事件を、時間軸をずらしながら進行していく様に、先が気になりどんどん読み進めた。ところが途中からは様相が一変して狂気を孕んだ人間模様が展開されていく。正直ちょっと引くくらい異常な思考の世界だった。後半トーンダウンした感じがして残念だ。レッドクローバーは結局どうなったのかな?2025/09/20
紫スカートのおっさん
13
👧✖️2 🧑🧑🧒✖️1 🛻✖️1 🗑️✖️1 🔥✖️2 🦷✖️1 🐬✖️1 🫙✖️1 ⛰️✖️1 ⛩️✖️12025/09/20
ナオ
9
めっちゃ分厚いけど、めっちゃ面白かった!!!どうしてこんな物語を思いつけるのか。こーゆーのが読みたかった。凄いな。私も北海道の田舎育ちなので、この閉塞感は何となく分かる。ここまで陰湿なものでは無いけど、差別的な事もあったし。 自分ではどうしようも無い事、無いと思える事が多すぎて、怒りが溢れ出るのも、何となく分かる。傷つけられる位なら、こちらから傷つけてやるって感情も分かる。分かりすぎて痛い。最初はあの有名な事件を連想するけど、全く違うところに連れていかれました。オススメです。2025/09/17
shion
7
ヒ素を使った殺人事件が発生。12年前にも同じタイプのヒ素による事件があり繋がりが疑われます。過去と現在が入り混じる展開には引き込まれました。母と娘の愛憎も絡み壮大な内容の作品だと思います。2025/10/04
天外天コックス
5
SNS時代になって「幸せになりたい(だけ)」というような心象はある意味怖い。 好きなシーンは第四章「怒」 ちひろの回想で三葉にクマのぬいぐるみが捨てられるところ。 「裏切られた、と感じた。三葉にではなく、もっと大きな存在に。」 丸江田にしろ自己ルサンチマンの他者への転嫁は自他の境界が曖昧になる感覚なのか。「ざまあみろ(と思ってます)」は、何がどうしてこうなった?のか、リアルには ビョーキとか理解する必要も無い世界だが、 登場人物を俯瞰すると深い淵に立つような小説ではある。 2025/10/04




