出版社内容情報
顔が良ければ誰でもあり。時に九人と付き合っていた未夜子は大学構内で風変わりな男の子・亘を見かける。その瞬間、「無意識」は恋に侵された。衝動のまま亘との距離を縮めていくが、彼女にはなれず関係も途切れ……。疼き続ける恋心に惑う未夜子が、終わらない初恋を終わらせるため向かった先は――。「好きの代償」を描く衝撃のデビュー作。
【目次】
内容説明
顔が良ければ誰でもあり。時に九人と付き合っていた未夜子は大学構内で風変わりな男の子・亘を見かける。その瞬間、「無意識」は恋に侵された。衝動のまま亘との距離を縮めていくが、彼女にはなれず関係も途切れ…。疼き続ける恋心に惑う未夜子が、終わらない初恋を終わらせるため向かった先は―。「好きの代償」を描く衝撃のデビュー作。
著者等紹介
木爾チレン[キナチレン]
1987年生まれ、京都府出身。2009年、大学在学中に執筆した短編小説「溶けたらしぼんだ。」で第九回女による女のためのR‐18文学賞優秀賞を受賞。12年に本作『静電気と、未夜子の無意識。』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
23
顔が良ければ誰でもあり。時に9人と付き合っていた未夜子が大学構内で風変わりな男の子・亘を見かけ瞬間、無意識が恋に侵される青春小説。衝動のまま亘との距離を縮めていくものの、彼女にはなれず関係も途切れてしまい、疼き続ける恋心に惑う未夜子。その感情はただの憧れや執着ではなく、彼女自身の存在を揺るがすほど深く切実で、その過剰すぎる彼女の感情は共感するにはどこか持て余してしまうところもありましたけど、それでも好きに向かう彼女の姿勢はどこまでも真っすぐで、恋の痛みを経て成長した未夜子のこれからを応援したくなりました。2025/10/21
イシカミハサミ
15
「二人一組になってください」の 木爾チレンさんのデビュー作がようやくの文庫化。 「電気」がタイトルに冠されているからか、 電気ブランをなんとなく思い浮かべながら読んだ。 どこか酩酊感のある、 早いうちに道は踏み外しているのだけれど、 そこからなぜか歩みが進んでいくという 不思議な読書空間。 単行本からはかなり削られた描写もあるということで。 デビュー時の感性を正面から受けるのも一興だけれど。 文庫版くらいが広く読みやすく編集されている感があります。2025/10/11
KDS
8
「みんな蛍を殺したかった」「二人一組になってください」の著者のデビュー作ということで手に取ってみた一冊。なんと13年越しの文庫化であるらしい。先に挙げたニ作のようなミステリではなく純粋な恋愛小説。実はちょっと苦手なジャンルではあるのだが、主人公の未夜子の一人称で綴られた文章はとても読み易く物語に引き込まれる。側からみれば少し変わった女の子…所謂「不思議ちゃん」と言われるような未夜子だが、恋をしていろんな妄想をしたりするのは誰でもするもんじゃないかなと思う。主人公の内面世界をファンタジックに描き切った力作。2025/09/23
グレートウォール
6
読んでいる途中から気づいたのだが、これはチレンさんがとにかく自分の内面にあるドロリとした衝動を書かずにはいられず、それによって産み落とされた作品なのではないかということだ。 変わった女の子の物語でどうしても最初は馴染めなかったが、中盤からなぜか浮遊感のようなものを感じ始め、もう止まらなかった。心象描写は理解できないものも多く、あまりに変だと感じつつも、そう考えるのかと違いを受け入れていく自分もいて、これはマズイと実感したりと心が落ち着かない。なるほど、、、気持ちの乗っかった強い念のような物語だ。2025/11/03
りょー
5
未夜子の初恋の話。恋をしている時の淡く儚い感情や、好きな人とふとすれ違った時や目が合った時の痺れるような感覚、そして時に苦しくなる気持ち。それらが未夜子という少女の目線から描かれる。恋している時の感情や感覚は一人一人違うもので、一人一人幸せな気持ちや苦しい気持ちを味わってきた。未夜子の物語に共感はないが、やるせなさや恋をしている時に味わう様々な葛藤がひしひしと伝わった。 綺麗な小説だった。2025/10/28
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