出版社内容情報
わたしの結び目
内容説明
転校生の里香は、クラスで浮いていた彩名と仲良くなるが、徐々に彼女の束縛がエスカレートする。彩名の親友が事故死したことを知った里香だったが「あの子を殺したのはわたし」と彩名に告白され、それを境に不穏な出来事が続く。「あの子の時と同じ」と噂するクラスメイトたち。友情という“結び目”は絡まり、解け…。歪な青春小説。
著者等紹介
真下みこと[マシタミコト]
1997年生まれ。早稲田大学大学院修了。2019年『#柚莉愛とかくれんぼ』で第六十一回メフィスト賞を受賞し、20年同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
22
中学校に転校してきた里香が仲良くなった、クラスで浮いた存在の彩名。徐々に彩名の束縛がエスカレートする中で、少し前に彼女の親友が事故死したことを知る青春小説。彩名以外の友人との交流も生まれつつある中、彩名からの思ってもみなかった告白。それを境に里香の周囲で不穏な出来事が続くようになったのはなぜか。明らかになってゆく過去の真相があって、普通はそこまでされたら距離を置かれても仕方ないですけど、それでもしっかり向き合おうとする里香の覚悟が、孤独で不安を抱える彼女にとってかけがえのないものだったのかもしれませんね。2025/05/09
Nabe
4
上手くクラスで立ち回ろうと頑張る転校生の里香。そんな里香に彩名は歪んでいると言えるほど執着していく。彩名の執着だけが特殊なように見えて、里香もクラスで浮いている彩名を気にかけることで自己満足しているだけ。実はどちらも歪んでいて、そこにクラスの繊細な人間関係が交錯してさらに息苦しい。「みんな、どうやって友達をちょうどよく大事にしているんだろう」。2025/05/20
幸音
2
表紙&あらすじ買い。親友はいつも一緒にいなければならないという思い込みが強く、自分だけを優先してほしくて距離感が近すぎる彩名と、クラスで浮いている人を救うことで自己満足を得る里香。視点が交互でそれぞれの思惑が分かるので、お互いに違う温度感で依存しているのが分かってだんだん気味悪くなるし、読後感はビターと言うよりも居心地の悪さが纏わりついた。担任からの「(他の)先生の成長のために許してあげてね」や彩名の母親の遠回しな言い方で自分の希望を押し通す姿が、勝手極まりないしあまりにも無責任すぎる。2025/07/05
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