出版社内容情報
医師国家試験に合格した野呂は、金沢のまほろば診療所に戻ってきた。娘の手を借りず一人で人生を全うしたい老母。母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。……それぞれの家庭の事情に寄り添おうと奮闘する野呂は、実は、ヤングケアラーという辛い過去を封印していた。
内容説明
医師国家試験に合格した野呂は、金沢のまほろば診療所に戻ってきた。娘の手を借りず一人で人生を全うしたい老母。母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。…それぞれの家庭の事情に寄り添おうと奮闘する野呂は、実は、ヤングケアラーという辛い過去を封印していた。
著者等紹介
南杏子[ミナミキョウコ]
1961年徳島県生まれ。日本女子大学卒。出版社勤務を経て、東海大学医学部に学士編入し、医師免許取得。大学病院老年内科を経て、都内の高齢者中心の病院などで勤務する。2016年『サイレント・ブレス』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みんとあめ
37
医師国家試験に合格し、金沢のまほろば診療所に戻ってきた野呂くん。今作は介護される人・する人の現実や苦悩+野呂くん自身がヤングケアラーだった過去とがリンクする。介護に関する権利を初めて知ったし、自分が表面しか見ていないこと、知らないことが多すぎると痛感。ヤングケアラーは以前別の物語で読んだが、「無気力な子」とか「良い子」と見過ごしてしまう怖さを改めて感じた。孤独にならない・させないために、知識をつけることはもちろん、専門機関だけでなく、人とのつながりも大切だと思った。繰り返し刻みたい、大切にしたい一冊。2025/10/06
カブ
37
テーマはコロナ禍での在宅介護。若い新米医師の野呂聖二が奮闘する。自分の身に置き換えると、介護する側される側になったとしても考えさせられる話だった。2025/09/30
papako
35
野呂先生が帰ってきた。白石先生の行為はもちろん罪に問われず、大学病院に呼ばれていた。コロナが始まっている金沢の訪問診療はさらに大変になっていた。野呂先生の過去が今回の大きなテーマ。介護されるされない権利。介護をするさせられない権利。当然のことだけど、まったく守られていない権利だよな。される権利ばかりが注目されているけれど。介護したくないわけではなくても休めなければ壊れてしまう。簡単には変わらないけど変わっていかなきゃダメですよね。2025/09/11
布遊
32
まほろば診療所で、訪問診療に携わっている、元ヤングケアラーだった新人Dr.野呂聖二。各章、それぞれ問題を抱える家庭に訪問する。看護師麻世ちゃんとのコンビがほほえましい。祖母を介護していたときのわだかまりも次第に溶けていく。診療所の先輩先生たちも皆温かく、ほのぼのとしたお話。2025/06/04
ごへいもち
17
こんなふうにいろいろ改善方向になって欲しい2025/07/23




