出版社内容情報
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内容説明
美容好きの両性愛者、頼りがいのある料理人、博識な大学院生。シングルマザーの伊麻は三人の恋人と暮らしている。娘の千夏は、高校で人生初の彼氏ができるが、家庭事情を隠していた。一方、伊麻の友人の絹香は、伊麻を参考に、不倫を考え始める。自由恋愛に生きる女性と、その周囲。正しい恋路を外れた先にあるのは―。価値観を揺さぶる不純文学。
著者等紹介
一木けい[イチキケイ]
1979年福岡県生まれ。2016年「西国疾走少女」で第十五回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞。18年、受賞作を収録した『1ミリの後悔もない、はずがない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mana
29
「いまやり直せるとして、あなたには強さがありますか?相手を自由にして、なおかつ自分も前を向いて生きていかれるだけの強さが」 「会いたい人に会わないで、なんのための人生?」 3人の恋人を持つ母親の伊麻。問題を抱えながら初彼と付き合う娘の千夏。不倫され、不倫を考える絹香。イレギュラーな恋ばかりなのに、汚さを感じない清潔な作品。束縛や執着は、恋とイコールなのか?愛の形は実にさまざまである。2025/06/17
ひろっぴー
12
こないだ湊かなえさんの母親が娘を支配する毒親の小説を読んだばかりなのを忘れるくらい、こちらの母娘はママが自由すぎる、、。でも千夏を懸命に守り自分の人生も生きる。針生と絹香のこういう恋の落ち方はどきどきする。2025/05/08
蜜柑
7
世間的に見て「普通」とはかけ離れている千夏の家。ありえない設定ではあるけど、千夏はみんなから大切に育てられ愛を与えられているのが伝わる。でも、ただ幸せなだけではなくて、高校生の不安定な環境、運命的な恋、葛藤、許されない恋愛、執着と愛情が全てに詰められ夢中で読んだ。一木けいさんの文章がとても大好きでハッとさせられる。2025/06/15
shin1
2
テーマは「愛と束縛」「愛と執着」。 愛とは何か。特に印象に残った言葉は「相手を自由にして、自分が前を向いて生きていかれるだけの強さがあなたにはありますか?(一部省略)」 一木さんの登場人物に乗せて紡ぐ言葉が好き。これまでの作品でもそうだけど、心に響く言葉が多い。2025/06/12
彩嘉
2
彼女がそれを愛と呼ぶなら、一木けい読了。 伊麻へ対して考えが違うと感じた娘の気持ちが良かった。伊麻の恋愛は何も感じなかった。否定もない。 娘や主婦の目線の物語が多く面白い。2025/05/03