出版社内容情報
高嶋 哲夫[タカシマテツオ]
著・文・その他
内容説明
パーキンソン病を患い、鬱屈した日々を送る内藤。還暦を迎えても何とか一人で歩いていたが、ある日街で姿勢を保てなくなり倒れてしまう。助けたのは通りがかりのユーチューバーやゲーム好きの学生らだ。この出会いが内藤に変化をもたらす。病の進行を抑える秘策を彼らと練り始めて…。衰えに抗う人と世を変えたい若者の心の交流を描く感動作!
著者等紹介
高嶋哲夫[タカシマテツオ]
1949年、岡山県玉野市生まれ。94年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、99年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともくん
37
意志と行動が繋がらなくなる、脳神経の病気。 パーキンソン病。 原宿で倒れた初老の内藤を助けた、三人の若い男女。 内藤に惹かれてゆく若者たち。 それぞれがパーキンソン病という病と嫌でも向き合ってゆく。 そして、高齢者と若者を繋ぐ架け橋になる。2024/04/07
タルシル📖ヨムノスキー
22
パーキンソン病を患う60歳の男性・内藤。彼の目標は「死ぬまで自分でトイレに行く」こと。そんな彼がある日偶然に出会った若者たちと共に、YouTubeを使ってパーキンソン病患者や高齢者向けの体操コンテンツを配信するという話。内藤の病気は数値的な云々はさておき一応何とか自分で生活できるレベルなので、まだまだ軽いといえば軽いのですが、これ以上重症になると物語自体が成り立たなくなってしまうので….。様々な世代がみんなで協力して一つの目標に向かってそれぞれの個性を生かしながら突き進むというのはエンタメの王道で大好き。2024/03/24
Yunemo
22
著者の着眼点に改めて感じ入って読了です。パーキソン病に罹患した人の心のうち、またその周知、進行を遅らせるための手法をメインとして記され、尚且つ、かかわりを持つのがそれぞれに問題を持つ若い人。主人公の私が、自身の過去の経験値からはとても理解が出来ずにいる様子に、当方も納得感。世代間、またこの令和の時代の生き方、コロナを経験した人たちの考え方、まさに多様性そのもの。世代の違いの垣根について、その種類、そうなんだ、と改めて感じ入り。全体にプラス思考での行動とはなるけど、ワールドフェスタにはちょっと、との想いで。2022/09/25
jin
6
読みやすい。惹きつけられる。現実との乖離がさほどないから、想定できる。ただし対岸の火事。自分が動こうという熱量はない。なんだかんだいっても直接の関わりって大事なんだと思う。2025/04/19
hiyu
5
神経難病等治癒できない疾患は数知れず。当事者やその周囲の方々は不安以上の思いが常に付きまとっていることだろう。もちろん本書のようにうまくいかどうかはわからないが、テーマとして非常に考えさせられた。最後までの展開についていけないところもあったが。2024/09/15