内容説明
本書は、問題の立て方を吟味するための思想と言葉とを、そして思考が向かうべき倫理の方向とを提案するものである。私はこれ以上に重要な思想的課題はないと考えている。(「はじめに」)
目次
序 境界を生きる子どもの生態学―ジャン=ジャック・ルソー、あるいは人間/非人間の境界に立つ思想
1 境界を犯して動物はやって来る(動物と人間の境界に出現するアート―鴻池朋子が示す境界を消滅させ生成させるアートの技法;越境する動物たちがもたらす贈物―『夕鶴』:異類の者が境界を越えてやって来る物語;境界を越える交感と心象スケッチ―宮澤賢治における他者に開かれる心象スケッチという方法 ほか)
2 境界のうえで踊る子どもたち(子どもと声の力―『風の又三郎』が描く世界の彼方から吹く風と息と声と;子どもの遊びに創造をもたらすメディアの力―子どもに異世界・別世界を開くメディア;境界に生起する「子ども」という多様体―「子どもの発見」をめぐる一八世紀フランス思想の思考実験覚書)
3 あちらから贈与の先生がやって来る(境界において動物と子どもと教育とを再考する―人間/非人間からなる教育学の課題;境界を越えて先生がやって来る―純粋な贈与としての教育のはじまり;試論 生命のメタモルフォーゼと世界教育)
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