内容説明
不倫と仕事に一生懸命なパラリーガル、初恋の相手と同棲を続けるスタイリスト、夫の朝帰りに悩む結婚3年目の妻…。誰かを大切に想うほど淋しさが募る彼女たちの日常は、予想外の“事件”をきっかけに一変する。自分で選んだはずの関係に、どこで決着をつけるのか?素直になる勇気を得て、新しい人生へ踏み出す6人の軌跡を描いた恋愛小説。
著者等紹介
尾形真理子[オガタマリコ]
コピーライター・クリエイティブディレクター。2001年、博報堂に入社し、18年、株式会社Tangを設立。LUMINEをはじめ、資生堂、TIFFANY&Co.、キリンビール、Netflix、FUJITSUなど多くの企業広告を手がける。TCC賞、朝日広告賞グランプリ、ACCゴールドなど国内外の受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スエ
114
ぷぐ!!な、何だ何だ?ひかりに莉里に知歌に青子に美智子にヨウ。早いときには3ページで人物が入れ代わり立ち代わり、立ち回りっ?!はい次、次っ(殺陣かっ) 待ってくだされ。置いてかないで!引っ付くぞ(ペタッ)ふう、やっと追い付いた。なる程。それぞれの愛を通して繋がる人々の「恥ずかしいほど愛に飢えていた」「全ては映画の中の出来事だった」切ない言葉たち。人を愛する事の複雑さと難しさ「心の傷」という置き土産ありがとう(ペコリ)そして悲しみよこんにちは。平気、涙が乾いた跡に〜は♪ざっとこんな感じでした。スエ感性でね。2021/11/01
aoringo
93
6人の年齢立場の異なる女性たちを追いかけた物語。不倫したりされたりで泥沼になりそうな話がすっきりした文章であっさりした印象を受ける。かと言って物足りなかったわけではなくて、登場する彼女たちの関係が次々とリンクしていき、この人とこの人が?!みたいな繋がりがあるのが面白い。冬から春にかけて愛を感じることの多い季節にまた読み直したくなるかも。読後感もさわやかでした。2022/12/30
sayuri
86
ひかり・莉里・知歌・青子・ヨウ・美智子、六人の人物の視点で描いた恋愛小説。読み始めはコロコロ変わる視点に戸惑ったが、あるべき場所にピースがピタリと嵌まり、一枚のパズルが完成していく様に、六人の人物相関図が脳内に浮かび上がって来た。点と点が繋がり一本の線になった瞬間、普通なら爽快感を感じるものだが、本作の登場人物達が抱えている問題が不貞という事もあり繋がるたびにヒヤリとさせられる。夫の浮気や先の見えない不倫、彼女達から淋しさの感情が伝染し共感へと変わる。派手な展開はないが彼女達の生き様から目が離せなかった。2022/01/13
shincha
52
最初は、全く繋がりのない小学生から還暦近い女性まで、女性だけが主人公で名前を覚えるだけで大変。面倒に思うが…途中から少しずつ少しずつ小さな繋がりが…クソみたいな男達に翻弄されながら、少しずつ人生の中での立ち位置を見定めながら生きて行く。すきっと結論が出るわけじゃない、勧善懲悪でもない…人生ってファジーな中に自分の方向性を見出しながら、妥協?しながら生きて行くんだな…女性の強さ、弱さ、懐の深さ、浅はかさ…色々な面が、それぞれの女性の中に見えてくる。モヤモヤとした霧の向こうに何かがあると信じて生きて行く。2024/03/21
たるき( ´ ▽ ` )ノ
48
6人の女性それぞれの『愛』を描いた作品。複雑に絡み合い、思わぬところで繋がり、傷つけられたり傷つけたり、癒されたり癒やしたり・・・。場面がくるくる変わるので、最初は少し混乱したが、先が気になり一気読み。なぜ、どうしてとモヤモヤする場面もある。自分勝手すぎるとイライラする場面もある。だけど、美しく研ぎ澄まされた言葉があちこちに散りばめられていて、いろんな感情を忘れるくらいハッとさせられた。またそのうち読み返したい。2023/01/10