内容説明
織田信長が天下を握ろうとしていた戦国中期。「会津の執権」金上盛備はときに政略結婚で隣国を封じ、ときに仇敵と同盟を結び、巧みな外交術で主家・蘆名氏を支えていた。しかし本能寺で信長が倒れるや、天下を狙う隣国の若き当主・伊達政宗が牙をむく。一気に蘆名を手中にすべく暗殺者を送り込んだのだ。奥州の覇権を巡る頭脳合戦が幕を開ける!
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。2010年に第五回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞、11年に受賞作『戯史三國志我が糸は誰を操る』でデビュー。16年『闘鬼 斎藤一』で第四回野村胡堂文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハル牧
6
「時を戻したい」独眼竜と「時を止めたい」会津の執権が繰り広げる外交、謀略、人取橋の激戦、そして摺上原の決戦に至るまでが描かれる。天下を目指す異才ながら生まれるのが遅過ぎた伊達政宗と、蘆名家の存続をのみ目指す頑固な年寄り金上遠江守盛備、正反対の傑物2人が主人公という、実に私好みの素晴らしい歴史小説であった。2021/08/16
km.
4
まずは双方が繰り出す戦略面の面白さが際立つ。ボケっと読んでると置いてきぼりなるほど巧みだ。それに伊達・蘆名家にまつわる悲惨な出来事を相手の陰謀によるものとして描いている。これが読み手の脳裏に焼き付き、戦略戦が無意識に深みを帯びて来る。そして盛備の交渉力も読み応えあり。安土城で織田信長に拝謁する場面で見せた命懸けの交渉、終盤の聚楽第での秀吉との交渉共に圧巻。最後の摺上原の戦いも臨場感たっぷり。生きて守り通そうとする意地の張り合いが全面に溢れた読み応えのある物語だった。これからは吉川永青を追いかけなければ。2022/04/19
かずぺん
3
福島県出身ですので、地域の位置関係が理解できて、感動でした。また、この時代は多くの小説になっていないので面白く読みました。2021/08/13
YUJIRO
3
渋い人物を主人公に据えた作品。派手な合戦が中心でなく、その背後で繰り広げられる、謀略、調略、外交を描く。2021/07/11
トシヒーロー
2
渋いエリアの時代モノ。なかなか今まで題材にならないところ。時機を見て、どこと手を組むのか、攻めるのか、戦略によってどこが生き残るのか!吉川さん渋いとこよく書いてくれます。2021/10/31
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