出版社内容情報
引きこもり漫画家の唯一の楽しみはソシャゲのガチャ。推しキャラ「へし切長谷部」「土方歳三」を出そうと今日も金をひねり出すが、当然足りないのでババア殿にもらった10万円を突っ込むかどうか悩む日々。と、ただのオタク話かと思いきや、廃課金ライフを通して夫婦や人生の妙も見えてきた。くだらないけど意外と深い抱腹絶倒コラム。
内容説明
引きこもり漫画家の唯一の楽しみはソシャゲのガチャ。推しキャラ「へし切長谷部」「土方歳三」を出そうと今日も金をひねり出すが、当然足りないのでババア殿にもらった10万円を突っ込むかどうか悩む日々。と、ただのオタク話かと思いきや、廃課金ライフを通して夫婦や人生の妙も見えてきた。くだらないけど意外と深い抱腹絶倒コラム。
目次
愛の巻(他人の結婚話がおもしろいわけがない;二次元の男との結婚生活を妄想してみた;沈黙の結婚記念日 ほか)
金の巻(敵はおのれの理性のみ;スタイリッシュソシャカスに憧れて;奇跡体験とは「射精」のことである ほか)
文庫スペシャル(土方さんADはもはや余生;自分を犠牲にすることが愛ではない)
著者等紹介
カレー沢薫[カレーザワカオル]
1982年生まれ。漫画家、コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)でデビュー。自身2作目となる『アンモラル・カスタマイズZ』は第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
44
2021年刊。カレー沢氏がソーシャルゲームのガチャ(抽選で特別な画像などが貰える)にハマって金を使う話。人間の業を、よくこんなに面白おかしく書けるなと感心した。ハマる心理が、抽象的な言葉を使わずバッチリ表現されている。氏はソフトな言い方(これも笑える)をするけど、ハマるものが博打でも何でも同じで、その時どきの世間体がいいか悪いかしか違いが無い。私は昔パチンコで百万以上すったし、煙草も止めた時点で年十万使っていた。酒だって飲まないとドラッグに見えてくる。今日ブックオフで5千円使ったのもハマり。味わって読もう2021/11/14
やっちゃん
19
これがオタク女子の生態‥想像以上に面白くキモイぞ。わたしのキン肉マン好きは作品全体に掛かるのに対し、彼女の好きは推し一点に掛かっている。ソシャゲは若者から時間と金を搾取するだけのクソ文化と思ってたがなるほどこんな楽しみ方もあるのか。2025/01/09
Mimi Ichinohe
13
素晴らしいかったです。最高です。私はゲームもしないし、アニメもみないので、実は”ガチャ”が具体的にはどんなものかわからないのですけど、たぶん商業施設に置いてあるガチャガチャのデジタルバージョン(しかもめっちゃ高額)なんだろうなと推察。でてくる人(2次元)ももちろん知りません。こんなに知らない世界のことなのに、突き抜けて面白いです。作者のその熱量の凄さ、推しに燃やす命に心打たれました。こんなに最高に幸せと思える時間がもてるなんて、すごくうらやましいです。2021/07/29
じーつー
12
めっちゃ読み手を選ぶ本。 普通にソシャゲのガチャの話と油断するととんでもないレベルの腐女子(死語?)が出てきてびっくりする。 推しキャラへの愛が溢れすぎて、ガチャへ費やす愛情(資金)は数十万円にも。 オタク以外の人間は寄せ付けないかのごとくその文章、非オタへの配慮は一切無し。 文章とかも完全にガチオタのノリ(その界隈が本当にこんな感じなのかは知らないが) 序章にも書かれているけど、抵抗がある人は読み始めて本を燃やしたくなるのではなかろうか。 ただガチャに数十万かける心境を知るのも一興ではある。2021/02/12
いっち〜
11
序文で「へし切長谷部と土方歳三以外の話はほぼ出てこない」と高らかに宣言し、本当にその通りの内容になってる時点でもう優勝(笑)。前半はへし切長谷部(と作者のリアル夫婦ネタ)、後半は土方歳三が中心で、前半は比較的まったりしてるものの、後半の勢いと熱量がすごい。まさに素晴らしきオタク賛歌。土方歳三への溢れんばかりの愛はもちろん、冷静な分析、社会人ゲーマーの哀愁、ガチャ高額課金への葛藤もリアルで面白い。一方で「ババア殿の10万円」の扱い方や、旦那さんへの感謝等、最後の一線は越えないところに作者の人柄が感じられる2021/09/09