出版社内容情報
後ほど
内容説明
時は大航海時代。世界を見据えた信長の先見性に圧倒されながらも、生来の反骨心を燃やし、新時代の武将として立たんとする家康。そこに東の巨人・武田信玄の影が迫る。用意周到に外交戦を仕掛ける家康だったが、逆に深い因縁を抱え込むことになる…。負けて知る本当の強さとは?若き家康の葛藤と成長を描いた大河シリーズ第二弾。
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒業。90年『血の日本史』でデビュー。2013年『等伯』で第一四八回直木賞受賞。20年第三八回京都府文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
121
家康の人生、二巻の一冊。信長との同盟を結び、次第に己の地位を揺るぎないものにしようとステップアップ中の家康。負けず嫌いの彼にまたしても幾多もの決断の壁が立ちはだかる。その最大の壁は信長もビビる武田信玄。何をどうすれば己を守れるか、練りに練っていく過程、胸の内が丁寧に描かれ、三方ヶ原の戦いまでの細かい経緯が知れて良かった。一か八かの賭けのような覚悟をしたためた信長への書状、迎えた最大のピンチまで、家康の緊張感がハンパない。家臣に、馬の松風に泣けた。見事な敗北。全てがここから…家臣への想いと新たな決意が良い。2023/02/21
ぱるる
48
家康27歳から31歳。三方ヶ原の戦いで身代わりになってくれた家臣のおかげで傷を負いながらも何とか生き延びた家康。負け戦の度に強く生まれ変わっていく。だれでも自由で豊かに生きられる国「厭離穢土、極楽浄土」を目指して。この物語には要所要所で女性が登場し家康を助ける。一巻では祖母の源応院、今回は源応院の孫ではとこのお万。男に従いながらも強い意志を持って行動している女性たちの描き方が好ましい。2023/01/12
Kiyoshi Utsugi
46
安部龍太郎の「家康(ニ) 三方ヶ原の戦い」を読了しました。今川氏真の代で、今川氏が滅びるところから始まって、姉川の戦い、三方ヶ原の戦いまでを描いています。 やはりお市の方と家康の関係が、安部龍太郎独特の解釈なので面白い。 このあと、どのような展開になっていくのか楽しみ。2022/11/01
えみ
37
『家康』第二巻。前作では人質だった今川方から事実上解放され、織田信長と同盟を結んだ家康。今作は三河一国を手に入れてから、姉川の戦い、武田信玄に大敗した三方ヶ原の戦い、と歴史的に有名な戦いが躍動感たっぷりに描かれている。武将達の知略戦に唸り、家臣の忠義を貫き散っていく様に心震わせ、弱き己を自覚しそれを受け止め強さを探求する家康の葛藤と苦悩に心を寄せた。強いだけじゃ生き残れない戦乱の世で、最後の覇者となった家康が何を考えどう決意してきたのか。限りなく史実に近い戦国時代とその武将達の動向が楽しめる大河歴史小説。2020/08/13
豆電球
16
再読。信玄強すぎる。青年時代にこんな強者と対峙し続けた挙げ句見事な敗北を喫した事は、この先の家康の人格に大きな影響を及ぼした事は想像に難くないです、本当。三方ヶ原での敗北を背負い続けて生きていく事である意味生きる為の強さを勝ち取ったんだと思います。「負けたことがある」というのがいつか大きな財産になるって堂本監督も言ってるもんね(@スラムダンク)。家康の強みはまさに信玄に大敗北を喫したことがあるというところでしょうね。三方ヶ原の前哨戦で大活躍した本多忠勝についてもう少し情緒的に描いてくれてたら嬉しかったな。2022/12/14