内容説明
超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦きながら推理を開始する。
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年「夜のピクニック」で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、06年「ユージニア」で日本推理作家協会賞、07年「中庭の出来事」で山本周五郎賞、17年「蜜蜂と遠雷」で直木三十五賞と本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
127
興味惹かれる、一冊。あと一歩で帰宅できたのに…いきなり国際空港の入管で足留めされ、隔離された11人。そしてこの中にどうやらテロリストがいるらしい。台風という悪天候はもちろん、通信障害、隔離だけでも不安感はハンパないのに、自分以外の誰かをテロリストと疑わなければいけないストレスも加わる展開は文句無しに興味惹かれる。そして気になるキャスリン…犬、誰が、何がどう絡んでくるのか…ドキドキワクワクしながら下巻へ。2020/03/22
yoshida
115
国際空港の入管で足止めされる人々。男女数名はテロリストの容疑により、入管の部屋で隔離される。誰がテロリストかは分からない。入管のヒューマノイドから、自分達で話し合いテロリストを特定するよう約束させられる。謎が多く、設定も突飛な部分もあり忍耐が必要な読書と言う印象。テロの内容や影響が不明瞭なので緊迫感にかけてしまう。霧の中を進むような読書。恩田陸さんの作風から、全ては明らかにならず読者に委ねるラストになると予想する。それであれば、これだけの頁数をかける必要があるのか。上巻の消化不良を晴らす下巻の内容を希望。2021/08/29
ばう
58
★★★★随分前に新聞連載で読んだ物語。最近急に「そういえばあの話、テロリストは結局誰だったっけ?」と思い出して新古書店のウルトラセールで購入。空港の入管で足止めされた11人の人たち。彼らの中にいるテロリストを見つけていただきたいと伝えるのは超高性能ヒューマノイドのキャサリン。折しも超大型台風が接近中、謎の通信障害も起きて空港は彼らだけを残して閉鎖。隔絶された空港内で少ない情報のみから彼らはどうやってテロリストを見つけ出すのか?話は勿論面白いけれどキャサリンが気になって仕方がない…急いで下巻へ!2025/06/12
如水
52
日本全土がすっぽり入る位の超大型台風接近時に国際空港(多分羽田💧)の入管で足止めされた11人+1匹(イヤ、コレだけでも小説になると思うが😆)。この中にテロリストの首謀者がいると断定され、本人達に炙り出して貰う…と言うムチャブリな話の上巻。冒頭は緊迫感有る話の流れだったんだけど…11人の内の1人が超高性能ヒューマノイドからコメディータッチ感が半端ナイ😅さて話のスジと行動からヤツだと僕は睨んでいるのですが、当たっているのか?は下巻で分かる…ハズ。そして題名でもある『消滅』。テロは何を『消滅』させるのか?2021/06/03
rio
49
国際空港の入管で突如別室に連行される11人の男女。戸惑う彼らは自分達の中に紛れ込むテロリストを探すミステリー。登場人物が多く、11人の会話中心で話が進むため所々誰が誰なのか混乱してきますが、慣れてくると意味深な発言や怪しく思える台詞が出てきて諸々想像しながら読み進めることができました。テロリストの正体だけでなく、目的や手法も何もわからない独特な不気味さや不安感を誘う雰囲気が流石です。どの様な結末を迎えるのか下巻が楽しみです。2019/06/24