内容説明
「人並みに生きよ」のプレッシャーに縛られる日本の男と女。失敗を恐れ、恋愛・セックスからも遠ざかり、ただ加齢と老後に怯えるばかりだ。しかし、「生きていて良かった」の実感を得たいなら、「面倒くさい」「飽きた」を封印し、偶然と冒険に身をさらさねばならない―。悲しみも苦しみも快楽へ変えてきた二人が人生を味わい尽くす方法を伝授。
目次
私たちに訪れた、生き方の転機
3・11以前のリア充女のサバイバル
女と女の溝、女と男の溝
女のサバイバルを阻む病
妄想大国ニッポンの恋愛と結婚
快楽とセクシュアリティ
加齢という平等
ニッポンの幸福問題
3・11以降のサバイバル術を考える
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年富山県生まれ。東京大学名誉教授。立命館大学大学院先端学術研究科特別招聘教授。NPO法人WAN理事長。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア。近年は介護とケアへ研究領域を拡大
湯山玲子[ユヤマレイコ]
1960年東京都生まれ。学習院大学法学部卒業。著述家、ディレクター。日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師。クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなど、カルチャー界全般を牽引(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スパイク
28
対談本は苦手なのだがこの本は楽しめた。「勝間和代評」なんてマジでビーンボール投げてる。本人もおっしゃってるが上野さんのエネルギーの源は”怒り”にあるようです。対して、湯山さんは”快楽”の追求にある。(とは言うものの上野さんも相当快楽を追求してきたみたいですけど)わたしは彼女達ほどの文化資本も知性もありませんので、行動原理は基本的に”カッコイイ”なんですが、これってやっぱりカッコいいって他人から承認されたいって欲求かと思うとカッコ悪いな~。『歳を取ることと成熟することにはなんの関係もない?』恥ずかしいな~。2015/07/26
小鈴
18
文庫化していたので読んだが、単行本で読んでもよかったと思うくらい面白かった。とはいえ、二人の自由さは女性排除が当たり前の時代を通して勝ち得たものでもあるんだけど、今や建前上は男女平等というか働く女も今までの男と同じくらい男前に馬車馬のごとく働くのを知ってる身としては(エリートだけじゃなくてね)、読んでいて面白いけれどヒントにはならない。組織で「より良く」生きていく方法については多くを語らず批判に終始。会社を降りる生き方より中で生きる方法こそ90年代就職組の聞きたいことだよね。カツマーを批判する前に。2015/05/08
みっちゃんondrums
13
いい! 単行本としては3.11の翌年に出たらしいが、自分にとっては今、読むべくして読んだという思い。行動力・経験に裏打ちされた高い教養を持ち、パワー全開のイケイケな二人についていけるかとも思ったが、杞憂。女のあけすけな楽しい会話に加わらせてもらった。フェミニズムには興味を持ってこなかったけれど、上野さんを読まないとね。日本社会の同調圧力の話、ロマンティック・ラブ主義への疑問、予測誤差による快楽の提言、老後の話などなど。「ああ、おもしろかった」と言って死にたい、に一票。2015/10/07
なお
11
痛快な対談でした。2019/01/22
なおみ703♪
8
上野氏のパワーの源は「怒り」、湯山氏のパワーの源は「快楽」。そんな2人の対談は…最強!共通して裕福な育ちだから、時代にもあがらえる自由もあったし、挑戦もできたのかなぁとは思うが、平等というより「自由」「多様性」を良しとする2人の生き方のように私も強くなるぞって思う。一方で勝間和代批判も納得。私も彼女の無駄を省き効率性を上げることばっかり語る彼女は、味気ないと思っていて、もっと効率性とは無縁だけど、「文化資本」も持ち合わせていた方が、豊かで楽しくそれも自分の財産だと思う。人脈こそ大切にすべきにも納得。2018/05/29