感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がいむ
29
古本屋の目立つところでたまに見かける神吉さんの本。私も好きでした。この本は持っていなかったので購入。(50円!)固くなくさらりとした文章だけどひと言ひと言がきれい。たべものがとてもおいしそうだし、神楽坂でお籠りで仕事だなんて(ふぐ食べて)なんていい時代。父と同じくらいの世代なのにちょっと上品で洒落ている。たべものをとても大事に楽しんでいるのが感じられます。季節柄、葱と大根の文章が特においしそう。2015/12/02
fu
18
お弁当パパ渡辺俊美さんの本に載っていたので、読んでみた。てんぷら、そば、ふぐ、鯛と馴染みのある料理にも関わらず、昭和3年生まれの食通の話は、知らないことが沢山あって愕然とする。吉野の花びら鮎、タイのタイ、ちん餅。。読んだ後は、上質な和食が無性に食べたくなる。2014/09/13
しんこい
11
食通という印象はあまりないのですが、生活の中で旬のものや手作り、思い出等たべものを大事に生きているという感じです。ビールとジャガイモの関係とか考えたこともなかった。2015/10/30
きゅー
8
食べもののアンソロジーには必ずと言っていいほど登場する神吉拓郎によるエッセイ集。飄々として、あれが美味いこれが美味いと論じる彼の筆を追っていけば、いつのまにやら腹の音が鳴いてしまう。この一冊には鮨からはじまり、肉、飲茶、カレー、蕎麦、牡蠣など盛りだくさんの食べものが名を連ねている。話し好きの彼のもとには同様の友人が集まるらしく、そば屋ののれんを見かければ、どんなお店だろうかと想像をたくましくする。今夜の夜ご飯は湯豆腐が良いななんて考えながら読み進めるのは楽しい時間だった。2015/11/12
shizuka
2
もう、趣というか味わいというか、そういうものがギュッとつまった食べ物エッセイ。粋なんですよ。オツなんですよ。「食」の愉しみは、時が流れども変わらない。いつの時代にも、筆が立つ食いしん坊はいて、食いしん坊の読者を楽しませてくれる。でもやはり、その時でなければ口にできなかったもの、愉しめなかったものもある。それを紙の上で追体験できるのは、本当に幸せだ。2017/06/24