内容説明
「ずっと一緒よ。私たちは、離れないの」。凪は枕元に置いてある赤い毛糸を手繰り寄せ、両端に作られた輪っかを弟の漣と自らの首にかけた。ふたりが離れると、互いの首が絞まるようになっている。「気持ちいいよ、漣。もっと感じてもいい?姉さん、我慢できないの。ここが苦しくて…」。人気女流官能作家が描く、切なくも狂おしい官能絵巻。
著者等紹介
うかみ綾乃[ウカミアヤノ]
奈良県生まれ。作家、ミュージシャン。2011年、「窓ごしの欲情」で日本官能文庫大賞新人賞を受賞し、気鋭の女流官能作家として注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
150
弟の漣を溺愛する姉の凪が怖い!独占欲が強いというか執着というか…。育った環境が環境とは言え、怖いわ~。そんでもってエロいわ~!ラストは、なんともスッキリしないというかなんとも言えない。漣は凪の気持ちにどう思い、義人はずっとトラウマを背負って生きていくのかな。由香は、よく立ち直ったよね。素直に良かったと思ったよ。康平は可愛そうだ。心理的に読んでてしんどかったけど、出てくる料理は美味しそうだったなのが良かったかな。 2019/04/07
まさきち
67
幼い頃に両親を亡くした姉弟の凪と漣。姉は弟を独占せんがために弟の親友を利用して弟に近寄る女を排除し、自分に恋心を寄せる男を使って弟が自分の下から離れられないようにする。官能というよりもホラーとして楽しめたのは姉・凪の弟に対する執着の粘度の高さのおかげかもしれません。2016/09/28
Akira
48
★★★☆ 子離れ出来ない親がいたとして...でも昔は自分も子供だったわけだから、葛藤しながらも何処かで自制が働くけど、、親代りに弟を育ててきた姉だったら。今まで読んだうかみ作品と比べるとエグさは少なめだったけど、姉のあの執念はある意味一番怖いかも。ちょっと変われば皆んな幸せになれたのになぁ。ミステリー要素もあり、狂気の怖さも、歪んだ愛の切なさもあって面白く読ませていただきました。もちろんエロさもね。2018/10/13
HMax
30
【読メエロ部】幼い頃に両親を亡くした姉と弟の悲しい物語。弟を離さない姉に対して全く鬱陶しい様子を見せない弟。姉とともに、三重の寂しい漁村で苦労して二人で生きてきた様子が目に浮かぶ。最後がどうなるのかとページを繰る手が止まらず、あっという間に読了。 ホラー小説でした。 こんな田舎に弁護士がいることに驚いた。2024/02/03
スーパー
5
うかみ綾乃作品としては、もっともクオリティが高いと思う。官能小説というよりも純文学。こういった作品の方が魅力的だ。2015/08/07
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