内容説明
エコロジーの危機、核の問題、戦争、飢餓飢饉、性・人種差別など、現在、人類が抱えている大きな問題の大半は、個々人の自分さえよければよいというちょっとした心理作用に源を発する。〈トランスパーソナル〉という概念が示唆しているのは、われわれ人類が進化の過程で体験し、身につけてきた、ともすれば忘れ去られがちな人間的諸要素の再確認と、理性を超えた来るべき人類のあり方である。
目次
第1章 トランパーソナルは何に答えようとしているのか(トランスパーソナルとニューサイエンス;理性を超えることへの恐怖;トランスパーソナルはポスト・モダンの旗手たりうるか)
第2章 トランスパーソナルはどうして生まれたか(カリフォルニアの東洋宗教;アブラハム・マズロー;ロベルト・アサジオリ;アラン・ワッツ;ラム・ダス;トランスパーソナル、スタニスラフ・グロフの場合;グレゴリー・ベイトソン、バックミンスター・フラーとトランスパーソナル;東洋宗教と心理学の統合―ケン・ウィルバーの場合)
第3章 トランスパーソナルは何をつくっているか(社会の寛容性;アイデンティティの拡大)
第4章 トランスパーソナルはどこへ行く(トランスパーソナル・サイコセラピー;サイコシンセシス;トランスパーソナル・セラピーの特徴;トランスパーソナル心理学の今後の課題)