内容説明
愛する妻を失った由紀夫は、南の島のヴィラで夜ごと娼婦相手にサド的な欲望を満たす。ある日、死んだ母を思わせるマッサージ師と出会った彼は淫らな「アルバイト」を持ちかけた。乳首に垂れる熱いロウ、失神するほどの鞭、傷に塗られるアンモニア水…。あまりの恥辱に耐えかねて女は壊れていく―。打算と欲望がせめぎあうSM非道小説。
著者等紹介
大石圭[オオイシケイ]
1961年東京生まれ。法政大学文学部卒。93年「履き忘れたもう片方の靴」で第三十回文藝賞佳作受賞。ショッキングな題材を透明感ある美しい文体で綴り、ホラーファンや官能ファンから絶大な支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじこ
6
富と貧困。不公平な世の中。 かつてプレイ中嫁が死んで、逃亡した南国で自分の性欲を満たすため母の面影を見出す現地の日本人女性と性的な奴隷契約をし、主人が体の警告をするにも関わらず女は金のために毎晩虐待行為を受け、ある日死んだ。 彼女を愛していた事にも気づき、性癖の為に二人も愛する人を亡くし一般的な男女の交わりができない自分に哀れさを感じながら生きていく男の話。 富と貧困。正常と異常。愛する女に残虐な行為で支配する事しかできない男もまたどこで狂ったのか、異常な性欲を持つ不公平な世の中の犠牲者の一人ではある。2022/08/24
篠田@書店員復帰を目指し中!
6
リアリティ溢れる文章にゾクゾク。主人公のギャップに萌えるけど設定は他作品の主人公とあまり変わらず。大石作品らしい内容でファンにはたまらない黒さ満載。今回のあとがきも素敵だった。2011/04/08
roku7777
4
大石圭を読むといつも「なんて薄っぺらい本を書くんだろう」と苦笑しかないが、その一方で大石圭が書くような薄っぺらい本をたまにどうしても所望してやまない自分がいることに気が付く。参るぜ。今回も薄っぺらさ全開で中途半端なキャラ設定、愛があるんだかないんだかよくわからない感情、誰でも思いつくサディズムとこれでもか「薄さ」全開である。でもそれがいいんだよねえ。全く心に響かない読書というのもたまにはしてみたいのさ。2021/05/16
閣下
4
肉体的SMで、中高生が読んだら大興奮。大人が読んだらちょっと刹那的。もっとプレイのバリエーションがあったらおもしろいのに。2011/01/24
sun
3
繰り返しばかりで飽きる。ラストも心に残らない。放置プレイで安全を担保できないのは最低。2013/04/21