内容説明
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。
著者等紹介
高田郁[タカダカオル]
兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒業後、1993年に漫画原作者としてデビュー(筆名:川富士立夏)。2008年に『出世花』(祥伝社)で時代小説の世界へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
910
かなり長い年月を描いた作品だったのが予想外。天災火災艱難辛苦を乗り越え、人生を歩む登場人物たちに引っ張られる。寒天作りの過程がリアルで興味津々。タイトルの銀二貫の意味は序盤で回収されるが、物語を追うほどに違う輝きを放ちだすことに感心する。凝縮されたストーリーラインがとてもドラマティック。劇的に展開するのでページをめくる手が止まらず。一気に読み終えた。滑らかに読めすぎて場面々々を味わうとか感銘を残すという点では、ちょっと弱い気がする。でもこの作品の場合、ストーリーテリングの巧さが勝って実に気持ち良い。2018/07/19
鉄之助
834
江戸時代、大坂や江戸はなんと大火の被害に見舞われたことか! おまけに2年以上続く飢饉にも、たびたび襲われる。そのたびに立ち上がる大坂商人たちに、スポットが当てられた。主人公・松吉と真帆のじれったい恋の行方にも、いい意味でイライラさせられる。「寒天はでしゃばらない」。それぞれの素材の「旨みを引き出して、しっかりと閉じ込める」という、主人公の生き方にも通じる寒天の特性が、全編をうまくまとめていた。2026/01/16
とも
771
旅行先で時間潰しのため購入。普段は手に取らないと思うと出会ってよかった。ええ買い物でした。 登場人物が皆魅力的で善次郎も途中から愛すべき存在に。ずるいわ~。 最終章はほぼ泣きっぱなし。最後の和助と善次郎の会話で涙腺がピークに。 とても好きな作品になりました。2014/05/12
yoshida
770
高田郁さんは初読みの作家さんです。抗いようのない苦難に負けずに立ち上がり、歩き出す人々の美しさ、凛とした姿が描かれています。読後感爽やかで一気読みでした。大坂天満の寒天問屋「井川屋」の主である和助は、仇討ちで天涯孤独となった鶴之輔を銀二貫で救い、松吉と名付け丁稚とする。厳しくも、井川屋の人々や料理屋「真帆家」の嘉平と真帆と幸せな毎日を送る松吉。しかし度重なる災害が大坂の街を襲う。逆境から立ち上がる市井の人々。和平は天満宮再建に向け蓄えた銀二貫を、その都度、苦境にある人々に渡す。それが最後に花開く。名作。2015/07/17
zero1
746
ナニワの人情ここに炸裂!金は天下の回り物。その金は人の想いをつなぎ、人を生かす。舞台は大阪。仇討ちで父を失った鶴之輔は松吉として10歳にして寒天を扱う店の丁稚に。松吉を救った和助と厳しい目を向ける善次郎、真帆、仲間の梅吉などに生かされる松吉。腰の強い寒天づくりに身を捧げる。商売とは何か?商人の矜持、戦いを人情とともに描く。「みをつくし」の高田らしく火事など試練満載。諦めないことの大切さを教えてくれる、読んで損のないどころか、読まないと損な大河ドラマ。14年にNHKドラマ化。翌15年には宝塚で舞台化。2019/08/08




