内容説明
数々の事件を手掛けた伝説の特捜エース検事は、なぜ闇社会の代理人となったのか。極貧の幼少時代から、弁護士転身後に親交を深めた安倍晋太郎ら政治家との秘話、裏社会に広がる黒い人脈、七億円のヘリコプターや豪華マンションを棟ごと購入したバブル時代の享楽まで赤裸々に告白。石橋産業事件で許永中とともに、現在服役中の男の衝撃的な自叙伝。
目次
序章 判決
第1章 凱旋
第2章 法の番人へ
第3章 捜査現場
第4章 鬼検事の正義
第5章 転身
第6章 ヤクザと政治家
第7章 バブル紳士たちとの甘い生活
第8章 落とし穴
終章 審判
著者等紹介
田中森一[タナカモリカズ]
1943年長崎県生まれ。岡山大学在学中に司法試験合格。71年検事任官。大阪地検や東京地検特捜部などで活躍し、伝説の辣腕検事として名をあげ、88年弁護士に転身。2000年石橋産業事件をめぐる詐欺容疑で東京地検に逮捕、起訴され、現在服役中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@一箱古本市5/5
46
一気読みの面白さ。面白いと言ったら語弊があるけど引き付けられた。実名で出てくる方々が凄い。バブル期以降の日本経済史かもしれない。忘れた事件が蘇りました。貧困から苦学し検事となり、ヤメ検弁護士へそして獄中。ジェットコースターの人生にクラクラする。全ては陰と陽どちらも表であり裏もある。巨悪は高いびきだわ。これから司法を目指す人にはこれを読んで欲しい。罪を犯すも人間、裁くも人間、しがらみだらけ。それにしても実名の方々汚い一面、改めた一面、本当に陰と陽だ。2018/02/06
SOHSA
40
《購入本》とても厚くかつ中身の濃い本だった。生い立ちから有罪判決を受けるまでの著者の生き様は、読む者に興奮と感動を与えずにはおかない。著者が吐露する多くの言葉は、もちろんすべてが正義であるとは言えないが、一面で非常に人間的で情に溢れ自らを飾らない発言と振る舞いに一種の真実を感じずにはいられない。地検特捜部の抱える政治に対する配慮のくだりは、昨今、流行りにもなっている「忖度」に通じるものだろう。検事とは言え、また宮仕えの身。そんな声がどこからか聞こえてくるような気がする。2019/02/20
との@恥をかいて気分すっきり。
19
僕は若い時に田中森一にあった事がある。上司の後ろについて同席した。たった10分だけだったが、にこやかで穏やかな笑顔の後ろに恐ろしいほどの凄みを感じて足が震えたことを覚えている。この本の解説では日本の歴史そのものであると書かれているがまさにそうだと思う。貧しい時代、空前の高度成長期、そして失われた20年。同時に彼を通して日本の支配階層が裏と表で手を握りあってきた姿がくっきりと見えてくるのも面白い。2017/02/18
誰かのプリン
16
政界.財界.法曹界はどれも金や権力で繋がっている。今に始まったわけではなく昔からなのですね。2020/05/31
大先生
12
オススメの一冊。著者は、検事(特捜部でエリートとして活躍)→弁護士(やくざの弁護士+財テクで一時は40億円の資産形成)→犯罪者(詐欺で実刑)という人生を歩んだ人物(汗)①検察組織・政界の闇②バブル紳士の実態等がよく分かる一冊です。そして、付き合う人を間違えると身を滅ぼすということも痛いほど伝わってきます。有能さもときにはアダとなるので私も気をつけねば(←全くの杞憂。苦笑)ところで、田中氏は身柄拘束後、精神的に参って中村天風先生の本を愛読するようになったそうです。やはり最後は天風先生に辿り着くんですね(笑)2022/06/13
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