内容説明
児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。これは単なる偶然か?第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年東京都生まれ。2004年本作で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年「シャドウ」(東京創元社)で第七回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
446
道尾秀介さんの長編デビュー作は心霊ミステリといった内容ですが、文庫本で上下巻ですが長さが何とも不揃いなのですね。上巻本文277頁・下巻が解説まで含むと407頁と、割合がざっと上2/5、下3/5になりまして値段も税抜き77円の差がありますね。著者はとにかく章の区切りに拘られたのでしょうね。それから、私はシリーズ第3作の短編集から読んだのですが、やはり最初から読むべきだったなと強く後悔しましたね。まあ理由は私が大長編は苦手なせいで本書を読むのを怯んだ為ですよ。シリーズはやはりキャラに馴染むのが不可欠ですよね。2021/10/14
Tetchy
359
今では次世代を担う作家の1人となった道尾秀介氏のデビュー作が本書。ホラーサスペンス大賞の特別賞を受賞して刊行された。ちなみに大賞は沼田まほかる氏の『九月が永遠に続けば』。さてそんなデビュー作は怪異現象を解き明かす霊現象探求所を開業している真備庄介が登場し、そのパートナーは道尾秀介という作者と同姓同名のホラー作家という、探偵=作家の構図を持った作品。物語は怪奇現象としか思えない土俗的な伝奇色を濃厚にしていく。当時京極夏彦の百鬼夜行シリーズを髣髴させるという世評もあったが、はてさてどんな展開が待ち受けるやら。2016/01/05
サム・ミイラ
313
元来ホラーは苦手なのだがこれは好みだ。面白い。心霊ホラーと呼ばれるジャンルの多くが当然ながら霊は存在するものという前提に立つのに対し、この作品はたとえ霊的印象の強い事件であっても実際はどうなのかを検証する物語だからだと思う。そこに圧倒的なリアリティがある。果たして霊はあるのかないのか。これは霊が引き起こした事なのか。読者も主人公達と共に背の眼の謎を追う事になるがワクワクしながら何とも背中が薄ら寒い不思議な感覚を味わえる上巻。怖いもの見たさで下巻を買いに行く途中(笑)2016/04/11
ehirano1
269
ハナからブッ飛ばして来ますねwww。物語は伏線だらけでワクワクするし、仏教における存在論、「白」とい字の由来に係る説、「物」とは本来人間の心を意味する、ペルソナと憑依、等々小ネタも満載で楽しい限りです。 因みに、上巻では「思い込み」というのがテーマだと感じているのですが、著者は読者に思いっきり「思い込み」をさせているような気がしてならないのですがwww 2020/06/06
nanasi
229
カバーデザインは高松 和樹さんです。幽霊の分類についてのお話はなるほどなーと思いました。ゴビラサやレエ オグロアラダ ロゴが鍵みたいなんですが、先がまったく読めない。下巻へ続きます。2013/07/09
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