内容説明
警察組織と暴力団の利権の草刈場と化していた奈良東西急便。その社屋放火事件の容疑者に仕立て上げられた二宮に、捜査の手が伸びる。起死回生を狙う桑原は、裏金を管理する男を追って二宮とともに沖縄へ飛ぶが、二人を追い込む網はそこでも四方八方に張り巡らされていた―。超弩級のエンターテインメント大作。想定外の興奮と結末。
著者等紹介
黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949年愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒。86年「キャッツアイころがった」で第四回サントリーミステリー大賞を、96年「カウント・プラン」で第四九回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
159
二宮がダイ・ハードのマクレーン刑事のようにズタボロになるのはもはやお約束。さすがの桑原も今回は欲張りすぎて・・・・・。2019/04/13
sayan
107
後書きに文章を寄せた編集者の感想がいい。「(読後には)うへへへ」とする。うへへ、と「へ」が2つではなく、3つ並べたそれがツボにはまった。本作読み始め前の一方的なマンネリに対する心配は杞憂に終わった。むしろ二宮・桑原を凌駕する中川の存在感が新たな魅力で前作以上に読み入った。それは、これまでの痛快・スピード感を軸とした物語展開の時々に「溜」ともいえる場面だ。本書は、奈良県警・佐川急便を巡る贈収賄事件を参考にし、フィクションとは中川の役回りを通じて、実社会の「もやもや」が絡みつき、緩急合わせた展開が新鮮だった。2019/10/12
Shinji Hyodo
105
シリーズお決まりの二宮(堅気)と桑原(極道)のシノギ(稼ぎ)の道中記。今回は運送業者と天下り警察OBの癒着と裏金を巡り桑原の嗅覚と二宮の身体を張った(二度ほど頭を縫ってる)アシストで二億近い金を引っ張り出そうとするのだが…警察とヤクザに追い回されて身も心もボロボロのクタクタ。それにしても、桑原の極道っぷりは何度読んでも飽きない。火事と喧嘩はなんとやら…こんなに血が騒ぐのはお祭り好きの男子の遺伝子なのか?最後に手に入るシノギの額は…´д` ;まあまあ命あっての物種ってことで、次も楽しみにしてまっせ(^^)2016/11/13
ぶち
103
ダメ男・二宮とイケイケヤクザ・桑原の凸凹コンビが悪たちを追い詰めていく、そのやんちゃぶりがたいへんに面白いのですが、それにしても今作の悪どものあくどさといったら本当に嫌になります。 政治家や企業経営層、警察上層部といった権力者たちの不正ぶりには反吐がでそうです。ヤクザの桑原や半ヤクザの二宮が悪をやっつけるヒーローに見えてきてしまうほどです。例によってこのシノギも失敗に終わってしまうのですが、ラストシーンに爽快感を覚えます。2021/08/17
修一朗
103
肝っ玉ジャイアン桑原、シノギで集ろうとするヤマもでかい!ワル警察の腐敗ぶりをこんなにっていうぐらいに見せられて、ここでも悪いヤツラはこてんぱんにいわしたって下さるのだ。あんだけ派手にやっときながら本人の収支はまたもやトントン、ヤクザの世界を泳いでいくのはやっぱり厳しい。前作と同様ジェットコースター感満載の、沖縄の離島まで追いかけていく展開は、また一気読みしちゃったよ、の面白さだった…ということで次、螻蛄へ…2015/09/19