出版社内容情報
母親4人が語り合うのは,
中学受験対策と犯罪計画!?
年代も仕事も家庭環境も異なる母親4人が出会ったのは、進学塾の保護者説明会だった。それをきっかけに、定期的に集うようになるが、ある日、詐欺事件に巻き込まれ……。笑顔の裏に隠された?、嫉妬、後悔、嫌悪。敵は詐欺グループか、それとも笑顔のママ友か。
二転三転では、物足りない。
章が変わるごとに、見ていた世界が
反転する、驚きの長編ミステリー!
内容説明
母親4人が語り合うのは、中学受験対策と犯罪計画!?
著者等紹介
矢樹純[ヤギジュン]
1976年、青森県生まれ。2012年、『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。19年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、2020年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itica
66
子供の中学受験の塾で知り合った4人の母親。時々ランチをして情報交換をする仲だったが、特殊詐欺に関わってしまう。短編連作で彼女たちそれぞれの視点で語られ、一連の真相が浮かび上がってくるのだが、今時ではあるかもしれない詐欺にドキドキが止まらない。そして意外な彼女たちの行動力に目を見張る。小説の世界だから面白かったものの、どこに落とし穴があるか分からないうまい話には乗らないようにしないとね。 2025/06/08
ごみごみ
52
中学受験のため子どもを進学塾に通わせているママ友4人組。情報交換と称して定期的に開かれるランチ会では、仲良さそうに見えて互いに牽制し合う様子がリアル。章ごとに視点が変わり、各々の裏の顔や家庭事情が明らかになっていく構成は面白かったが、ちょっとゴチャゴチャしていて後半読むペースがダウンしてしまった。特殊詐欺に関わってしまい抜け出せなくなる恐怖。もっとドロドロしたラストを予想していたが・・4人とも、なかなかの牙と舌を持っていた!2025/06/28
きょん
49
中学受験性をもつママ友の4人が特殊詐欺に関わっていく。エンタメ小説としては面白いが後半少しわかりにくい。はたから見れば幸せそうな家庭でも内側はいろんな問題を抱えているものだ。詐欺グループ=若い男性という先入観はもう危ういかも。2025/07/15
hirokun
48
★4 とても面白いエンタメ推理小説。中学受験生の母親四人が、各章をそれぞれの立場で語る組み立て、展開がスピード感があって引き込まれた。久しぶりに最後まで引っ張られる推理小説を読ませてもらった。女性同士の人間関係も男性とはまた違って小説の良いネタになるようだ。2025/07/03
sayuri
37
「離れたい女」「救いたい女」「愛したい女」「守りたい女」「逃げたい男」「信じたい女」5話と幕間で構成された長編小説。進学塾・和光ゼミナールに子供を通わせる四人のママ友が詐欺事件に巻き込まれていくミステリー。雪下まゆさんの装画とタイトルが好み。日本推理作家協会賞受賞作『夫の骨』以来、欠かさず読んでいる矢樹作品だけに嫌でも期待が高まる。冒頭の会話からマウンティング争いをするイヤミス系の話かと思いきや、物語は詐欺、殺人、監禁と物騒な方向へと進んでいく。今回は矢樹作品の持ち味であるキレの良さが感じられず少し残念。2025/07/02