出版社内容情報
「被害に遭っても仕方ない人」なんて、いない。
山内マリコさん推薦!
「新時代のヒロインは
女子を分断するシステムからも、理知的に脱却してみせるのだ!」
「着飾ってばかりの女子大生」が、性被害に遭った。
「おしゃれに興味のない理系女子」が考えた復讐方法とは。
名門大の理工学部に通う順子は、大学二年の春、高校の同級生で女子大に通う紗奈と再会する。高校生の時は「上」の人間だった紗奈と、「下」の人間だった順子は話したこともなかったが、不思議と二人の間には友情が芽生える。インカレサークルで「高学歴」男子と交流する紗奈が、ある日性被害に遭い――。
せめて私たちだけは、ずっとお互いの味方でいよう。
注目の作家が描く、ボーダー超越系友情小説。
内容説明
名門大の理工学部に通う順子は、大学二年の春、高校の同級生で女子大に通う紗奈と再会する。高校生の時は「上」の人間だった紗奈と、「下」の人間だった順子は話したこともなかったが、不思議と二人の間には友情が芽生える。インカレサークルで「高学歴」男子と交流する紗奈が、ある日性被害に遭い―。
著者等紹介
真下みこと[マシタミコト]
1997年生まれ。早稲田大学大学院修了。2019年『#柚莉愛とかくれんぼ』で第61回メフィスト賞を受賞し、2020年同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もぐたん
56
対極にあるような2人がこんなに分かり合えるはずがない、と現実的なことを考えた。やっぱり類は友を呼ぶ、だと思う。そして、しきりに女同士の分断について語られるところや、連帯を妨げている構図の話が出てきたけれど、教科書を読んでいるか、もしくはお説教のようで、まるで心に響かなかった。★★☆☆☆2025/04/22
sayuri
37
タイトルからポジティブな物語を想像していたが全く違った。「春はまた来る」には二つの意味が込められている。一つ目の意味が分かった瞬間、あまりの悍ましさに読むのをやめようかと思った。インカレサークル内で行われる献上システム。女性に落ち度があったにしても責められるべきは加害者だ。なのに追い打ちを掛けるかのような嫌がらせ。腐ってる。こんな事が実際に大学内で行われている事を想像するだけで虫唾が走る。性被害に遭った女性の高校時代のクラスメイトが復讐を謀るが、あんなものは復讐とは言えない。読後も気持ちは晴れないままだ。2025/03/13
レア
27
前向きなタイトルかと思いきや、全く逆の意味も込められていてゾッとした。フィクションだけど、似たような事は現実にも沢山起こっていて、被害者、加害者、傍観者、どれになっても嫌な気持ち。こんなことの為に大学に入ったの?ラストは何もなかったことのようにされたけどそれでいいの?フジテレビ問題のように社会に出ても続いていく現実に重苦しい気持ちになった。2025/04/27
よっち
25
名門大の理工学部に通う順子。その生活にようやく慣れ始めた大学二年の春に、高校の同級生で女子大に通う紗奈と再会する友情小説。高校時代はカーストのトップに君臨し、インカレに所属している女子大生の紗奈と、当時は接点もなく地味な理系女子として日々を送る順子との再会。タイプの違う2人が徐々に友情を育んでいく中で紗奈に起きた事件。インカレの女子を分断する巧妙なシステムが浮き彫りになり、被害に遭ったのに貶められ居場所を失っていく状況には空恐ろしいものを感じましたが、彼女のための復讐によって少しは救われたんでしょうか…。2025/03/26
うどん
22
なんだか不思議な後読感でした。2025/06/23