出版社内容情報
清水 研[シミズ ケン]
著・文・その他
内容説明
当たり前に続くと思っていた毎日がそうではなかった。自分の力ではどうにもならない絶望と喪失に、どう向き合っていくのか。がん専門の精神科医が伝える、「死を意識しながら生きる」ということ。ある日突然余命を告げられたら―若きがん患者によるレジリエンスの物語。
目次
ストーリー1 一日一日を愛しく 三井里美さん
ストーリー2 自分を探す長い旅 植木朋子さん
ストーリー3 人に傷つけられ、人に救われる 柿本聡さん
ストーリー4 涙を流してこそ 井上裕香子さん
ストーリー5 生きているのは当たり前じゃない 四家明日香さん
ストーリー6 すべてのことに意味がある 岸田徹さん
著者等紹介
清水研[シミズケン]
公益財団法人がん研究会有明病院腫瘍精神科部長。1971年生まれ。精神科医・医学博士。1998年、金沢大学医学部卒業。一般内科研修、精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター東病院精神腫瘍科レジデントに。以降、一貫してがん患者およびその家族の診療を担当し、対話したがん患者・家族は4000人を超える。2020年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aloha0307
20
バネがたわんでも反発して元に戻る 人間にも困難な状況にしなやかに適応して生き残る力〜レジリエンス🖌️が誰にでもあるのだね。でも、 無理に前向きになろうとすると逆効果だそうですよ🌸🌸2022/10/30
yamakujira
4
「レジリエンス」という言葉は、復元力という物理学用語から派生して「困難な状況にもしなやかに適応して生き残る力」を意味する心理学用語でもあるそうだ。いったんは絶望に苛まれながら、そんな適応力を発揮して今を生きる6人の実例を挙げて、AYA世代で癌告知されながら絶望を乗り越えた若者の苦悩と希望を見せてくれる。同じ境遇の人に勇気を与え、そうでない人にも知識を授けながら生きることを考える一助になればいいね。でも、患者のルポに対する著者の解説が物足りないし、最後にもう少し専門的な総括を聞きたかったな。 (★★★☆☆)2022/12/05
Olive
2
清水先生の言葉がとても心ある優しさで溢れている1冊だった。若年層で癌になられた方々の生い立ちから、病気に立ち向かっている現在までを知り、こういう情報がもっと患者やその家族に届けば、どんなに励まされることだろうと思う。娘が20代で希少ガンになり、どういう風に接してよいかわからず、もっと早く手に取ることが出来ていたらと思う。病気になった人の気持ちは、その人にしか分からないけれども、色々な感情を知ることで少しでも寄り添うことが出来ればと思う。2024/04/10
kom
1
癌が治ったから単純に嬉しいとはならない、ひとの心の複雑さを知った。そして、何度も襲ってくる困難に打ちのめされながらも乗り越えていくひとがいることも知った。幸いにも今自分は大病を抱えてはいないのだからがんばろう、みたいに思いがちだが、そのように「幸い」と感じることは不遜なことなのではないか。それだとまるで病人イコール不幸だということになってしまう。病気であろうとなかろうと自分がしたいこと、できることを力の限りしていくことが、「幸い」ということなのかも。2022/10/18
とるしげ
0
若くして癌に罹患した6人が発揮した苦難と向き合う力2023/12/28
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