出版社内容情報
男が「男」である証とは。
自己犠牲、執念、友情、死に様、責任、自負、挫折、情熱、変節……
男だけが理解し、共感し、歓び、笑い、泣くことのできる世界。
そこには女には絶対にあり得ない何かがある。
42の鮮やかな男の生き様
以前、亡き三島由紀夫氏と男の最高の美徳とは何かについて対談したことがある。口を切る前に彼が互いに紙に書いて入れ札しようと言い出し、言われるまま互いに書いて見せ合ったら、期せずして全く同じ「自己犠牲」だった。
確かに歴史を振り返ってみれば、仕えている主君や国のために潔く身を賭して死んだ侍の逸話には事欠かない。
(「男の美徳」より)
内容説明
自己犠牲、執念、友情、死に様、責任、自負、挫折、情熱、変節…男だけが理解し、共感し、歓び、笑い、泣くことのできる世界。そこには女には絶対にあり得ない何かがある。42の鮮やかな男の生き様。
目次
友よさらば
死ぬ思い
男の執念
片思い
安藤組と私
博打
秘めたる友情
男の面子に関わる会話
男の美徳
臆病の勇気〔ほか〕
著者等紹介
石原慎太郎[イシハラシンタロウ]
1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第1回文學界新人賞を、翌年芥川賞を受賞。『化石の森』(芸術選奨文部大臣賞受賞)、『生還』(平林たい子文学賞受賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
90
石原慎太郎氏の或る意味この現代に真逆な男の在り方を描くエッセイ集。それはそれで懐古趣味的ではあるが慎太郎節と併せて痛快なのであった。そして、やはり慎太郎節に酔う僕なのである。どのエッセイも愉しめるが、なかでも格別でカッコよくそれこそテーマの男を感じさせたのは、やはり石原慎太郎と石原裕次郎と勝新太郎の三人が描かれたエッセイだろう。カッコ良すぎる。しかし、古き善き昭和でもある。それも分かって書いている慎太郎氏がまた良い。2021/06/20
Shoji
42
私は石原慎太郎という男が好きだ。歯に衣着せぬ発言にスカッとしたものだ。特に東京都知事時代の隣国からの脅威に対する発言、与党野党の体たらくに対する発言にはしびれた。そんな石原慎太郎氏のエッセイ。昭和のエッセンスが香る文章はとてもハードボイルド。かっこいいなあ。何でもかんでも炎上する世の中で、平気で毒舌かませるのは、巨匠北野武、百田尚樹、そして石原慎太郎。今後、ますますニッポンのヒールぶりを発揮して欲しいなと思いつつ読了です。2021/04/29
ロッキー
5
『ゲーテ』に連載のエッセイのまとめです。『男の執念』より。認知症の男性が死ぬ間際に口にした『カンメイアリマスカ、イイカ、モウヒキカエシテキャンプニモドレ。キカイハマダアル、キャンプニモドレ』の意味。号泣しました。慎太郎さんのエッセイを読んでいると、昭和30、40年代の日本は本当に楽しそう!もう二度とあんな風景はこの日本に訪れないんだろうなぁ~…と思う。一橋大学の寮で仲間と酒を飲んでいる写真が見つかったので、もう一度同じことをしようとその仲間に連絡を取ったら慎太郎さん以外全員亡くなっていたと。なんと残念。 2021/03/20
りょうけん
5
<理> 念のために書いておくが基本全部自慢話であろう。こいうのは聞きたくもないのに聞かされたりすると「てめえ何言ってんだい」となるが,読みたくて手に入れた場合はまあ別でしてそこそこ面白い自慢話である。なんと云っても著者は超有名人なのでその貌や物腰やしゃべり方まで頭に描きながら読めるのである。面白いものである。 2020/12/29
史
4
昭和男性論というべきか。しかしどこか「男ってのはどうしようもない存在である」と解説してるようにもみえる。それが良いか悪いかは別として、その時代を過ごしてきたものが見えるので、それはどこか清々しいものである。2021/10/25