出版社内容情報
「あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか」
「ラブレターは死語か否かで華やいだ吉祥寺デニーズ跡地ながめる」
「修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ」
ひっそり恋しく思い輝く108の星団 怪しくも艶やかに微笑む40の恒星
短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、短歌と創作(妄想ラブレター)とイラストの、「念力恋愛」ワールド。
憧れの山田先輩念写して微笑む春の妹無垢なり
うっとりと「別れの曲」を弾いている 男子生徒の背を椅子にして
古本の少女漫画にはさまれし郵送未遂のレター哀しき
ケイタイがつながらぬ夜はいつのまにプラス思考の本読んでいる
あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか
指切りの指のほどけるつかのまに約束蜂の針がきらめく
ふられ男(お)の激しき無念吸い取ってますます冴えるきみの美貌は
星占いのページに見入る少女たち 思われニキビにクリームのせて
色褪せたプリクラ纏い思い出の蛹のような「写ルンです」は
マドンナの脇毛さやかになびきたる二十年(はたとせ)前の夏期講座あわれ
内容説明
百八の懸想。四十の嫣然。妄想ラブレター4作。
目次
妄想ラブレター1 謎の説教系オタク中年・佐山祐樹(52歳)から地下アイドル・miu(19歳)へ
妄想ラブレター2 自称セラピストの陰謀論者・吉田雅史(39歳)から薬局勤務・前川優子(24歳)へ
妄想ラブレター3 家事手伝い・永山栄子(45歳)から人気アイドルグループ「ポッピン5」のメンバー・錦聖也(26歳)へ
妄想ラブレター4 貿易会社会長・鬼塚平八(90歳)からキャバクラ嬢・紗英(22歳)へ
著者等紹介
笹公人[ササキミヒト]
歌人。1975年生まれ。東京都出身。「未来」選者。現代歌人協会理事。「牧水・短歌甲子園」審査員。大正大学客員准教授。刊行書籍多数
水野しず[ミズノシズ]
イラストレーター/コンセプトクリエイター。1988年生まれ。岐阜県出身。武蔵野美術大学造形学部映像学科中退。在学中は主にイラスト、アニメーションを制作。講談社主催のオーディション「ミスiD2015」でグランプリ受賞。以降、イラスト・執筆以外に、映像やイベント出演などにも活動の幅を広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
だいだい(橙)
もち
田中峰和
ののの