内容説明
ヤヨイ、タカユキ、ユリコ、カツオ、マスコ。子供時代の一時期を共に過ごした同級生5人は、還暦を過ぎて再会した。それぞれの人生は、思い通りにならないことの方が多かったかもしれない。でも、「また明日」といい合える友がいて、これからも毎日は続いていく。東京オリンピック、アポロ11号、ザ・タイガース、ちびまる子ちゃん、2000年問題、東日本大震災…昭和30年代から平成の終わりまで、時代背景とともに綴る長篇小説。
著者等紹介
群ようこ[ムレヨウコ]
1954年東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業。いくつかの仕事を経て本の雑誌社に入社し、84年「午前零時の玄米パン」でデビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
179
う〜ん、なかなか深いお話でした。十代や二十代で読んでたら、そんなにもココロに響かなかったと思います。昭和30年に生まれた五人の幼なじみが東京五輪、アポロ11号の月面着陸、グループサウンズやちびまる子ちゃん、2000年問題や東日本大震災を経て、平成の終わりを迎え、それぞれが環境の異なる還暦を過ごし再会します。人生山あり谷あり、勝ち組負け組と色々ありますが、本作の人物達のようにトキがきて過去のことも流せるようになり、「そんなコトもあったなぁ」と軽く振り返れるようになれたらいいなと。人のつながりって大切ですね。2019/11/06
ショースケ
126
ヤヨイ、ユリコ、マスコ、カツオ、タカユキの5人は小学校が同じ。それぞれの家の事情があり性格もそれぞれ。人に言えないことも多々あり大人になりそれぞれの道に進む。還暦間近に再会し、5人とも感慨深い面持ちになる。群さんは私より年上だけど、子どもの頃の思い出は懐かしさ満載だった。肩たたきをされても会社を辞めず、左遷されても頑張り定年間近まで独身で過ごし、複雑な家庭でも真っ直ぐ生きたヤヨイに拍手を送りたい。2024/09/23
のぶ
106
軽いながら、ポジティブで楽しい小説だった。登場人物は、ヤヨイ、タカユキ、ユリコ、カツオ、マスコの5人。始めから全体の4分の3は、章ごとにそれぞれの人物の人生が語られる。そして終盤の100ページ程度で、子供時代の一時期を共に過ごした同級生5人は、還暦を過ぎて再会を果たして、ミニ同窓会のようなことを開いて、それぞれの出来事を交歓しあう。こんな構成の作品だが、東京オリンピックから始まって、東日本大震災まで節目の出来事が込められているのもノスタルジーを掻き立てる。作中の欠点もあったが、気楽に読める一冊だった。2019/11/29
sayuri
105
「ヤヨイ」「タカユキ」「ユリコ」「カツオ」「マスコ」「再会」6話で構成された物語。時代は昭和30年から平成の終わりまで。小学校を共に過ごした5人の男女の人生模様が描かれている。ここ数年はギスギスした作品が多かったけれどこちらは昔の群さんの作品にあったほのぼのとした雰囲気が多分に感じられて気持ちの良い読書時間だった。人生にはいくつもの岐路があってその度に選択を迫られ成功したり時に失敗したり、嬉しい事・悲しい事を経験しながら大人になる。自分の小学校時代から今までの人生を共に振り返りながら読めた味わい深い作品。2019/10/29
ゆみねこ
103
良かったです!我が身と同世代の5人が還暦を過ぎて再会。それぞれの人生は思い通りにならないことが多くても、「また明日」って言える仲間が居ることは素晴らしい。2019/11/28