内容説明
7人の数学者と、4人の数学マニアを通して、その未知なる世界に触れる!
目次
美しき数学者たち その1(数学者に初めて出会った日―黒川信重先生(東京工業大学名誉教授)
問題を解くことではなく、作ることが大事―黒川信重先生(東京工業大学名誉教授)
数学について勉強することは、人間について勉強すること―加藤文元先生(東京工業大学教授)
芸術に近いかもしれない―千葉逸人先生(東北大学教授))
在野の探究者たち(日常と数学、二つの世界―堀口智之先生(数学教室講師)
お笑いのネタが、真理に届く―タカタ先生(芸人)
ここまで好きになるとは思ってなかった―松中宏樹先生(数学教室講師)、ゼータ兄貴(中学生))
美しき数学者たち その2(数学は嫌いになるはずがない、自分そのものなんだから―津田一郎先生(中部大学教授)
ちょっと、修行みたいなところがあります―渕野昌先生(神戸大学教授)
『数学とはこれである』と線引きをしてはいけないんじゃないか―阿原一志先生(明治大学教授)
頑張っても、そこには何もなかった―高瀬正仁先生(数学者・数学史家)
世にも美しき数学者たちの日常―黒川重信先生、黒川栄子さん、黒川陽子さん)
著者等紹介
二宮敦人[ニノミヤアツト]
1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。2009年に『!』(アルファポリス)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
103
数字が文字と同じように言葉を綴ると説得する良本。11名の数学者の面談を綴るレポートであるが、彼らの意識をうまく文章で表現する著者にも大変感心。人間の自己の意識の形成には文字にくわえ数字も不可欠なことを改めて実感した。数学という行為は人間であるが所以だと。終盤で紹介する「・雲を見ていると「今日の雲を描いた人はとても上手だ」とか言うんです。・」の数学者の息女の言葉はある種の感動をもった。現代数学が古代アジア・中東ではなく、古代ギリシャの流れを継承する指摘は大変興味深い。日本の和算的要素も垣間見ることができた。2019/05/19
trazom
81
前著「最後の秘境 東京藝大」よりも格段に面白い。数学界の権威、気鋭の学者、数学教室を主宰する在野の数学者、数学芸人(タカタ先生)、現代数学に批判的な数学史家などとのインタビューを通じて、数学の本質に見事に迫っている。数学者たちは、「美しい」「エレガント」「心」などの言葉で数学を表現する。岡潔先生が多変数解析関数の論文で最も言いたかったのは「私は何のためにこの論文を書いたか」という序文だった。そんな熱い心を持った数学者たちに対する二宮さんの「畏れ」「尊敬」そして「愛情」が溢れた、心温まるいい本だと思う。2019/06/06
鱒子
77
図書館本。タイトルでジャケ借り。数学研究者へのインタビュー本。 数学は情緒であり、美であり、言語である。ただし真に極めんとするには生まれ持ったセンスが必要ーーはぁぁやっぱり。まあ数学大っ嫌いなわたしでも、授業で数学が面白い!と思った事は一瞬くらいは有りましたし、自分が楽しめるレベルの数学と付き合ってみたい気になる本でした。鶴亀算の亀が2本足で立ち上がったらーー想像するだけで可愛いじゃないですか!2019/07/10
やいっち
76
「最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常」の著者。数学が苦手な著者や編集者らが、全く接点のない数学者らに会って話を聞く。数学が分かる、数学が面白い、数学にのめり込む<人種>が居る、そのこと自体 驚きだ。形や動きの先に何か奥深いものを嗅ぎ取ってしまう。混沌とした世界に秩序を掴みとる。数式は道具であり結果に過ぎない。実際に数学者の面々に会うと、偏見通りの孤高の人より普通の人が多いことに逆に驚いたり。将棋や囲碁の天才より芸術家に近いのかもしれない。とにかく楽しい探訪記である。2021/08/07
さっこ
54
数学といえば受験数学を先にイメージしていましたが、本来の数学とはとっても広く深くてとても大きくて自由なものなんだと思いました。数学者といえば、文系の自分からは畏怖にも近い憧れがありましたが、とても可愛らしい数学者さんに会えました。とても楽しく読みました。なんか今からでも数学やってみたいなと思わせてくれる作品でした。2019/08/17