内容説明
学校の屋上から飛び降りた川崎朱音。彼女の自殺の原因は―そもそも本当に自殺だったのか。ネットに流れる自殺現場の動画を撮ったのは誰?映っていたのは誰?いじめはあったのか、遺書はあったのか。クラスメイトに配られたアンケートから見え隠れする、高校生たちの静かな怒り妬み欲望…。少女の死が浮き彫りにした、箱庭の中で生きる子供たちの本当の顔。ヒエラルキー、マウンティング、役割分担、キャラ設定…。青春小説界の新鋭が描き切った「わたしたちの」物語。
著者等紹介
武田綾乃[タケダアヤノ]
1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年5月に出版されデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
169
面白いです。 かなり重たいテーマなので、面白いという表現は良くないのかも知れませんが…。 それぞれの登場人物の感情表現が、微妙にずれている感じがしますが、それが、話に現実味をあたえていると思います。 結論はなんとなく解ってきますが、途中の手書きの部分やサブタイトルなんかの意味も最後にはわかります。 ラストに向けての盛り上がりと最後の言葉、なるほどと思わせる表現はうまいです。 結局、飛んだことに何の意味があったのでしょうか? 2020/10/08
machi☺︎︎゛
157
朱音が飛び降り自殺をする所から始まる。そして高校のクラスメイトから朱音についていろいろなことが語られる。10代らしい考え方と常に仲間といたいという上部だけの連帯感。スクールカースト、マウンティングと、もうお腹いっぱいになった。だけど自分の高校時代を思い出して懐かしい気持ちににもなった。あの時は自分たちの姿を俯瞰で見る事なんて出来なくて大人が思っている以上に必至だった。その感じとよく似ていた。2020/11/02
モルク
142
ある日の放課後、進学校に通う高2の朱音は校舎の屋上から飛び降りた。またその瞬間をとらえた動画がネットに拡散する。いじめはあったのか、朱音はただのかまってちゃんだったのか。幼馴染み、クラスメート、恋人などが章ごとに語る。そして各章の最後に出てくる章題、これがそれぞれ的確に物語っている。友情、束縛、妬み、怒り、自己主張、ヒエラルキー、あきらめなどいろんなのもが絡み合い歪んだ真実が見えてくる。驚愕というよりはぞっとする事実。読後苦々しい思いが溢れる。そして「くひっ!」という笑い声がいつまでも残る。2019/07/12
taiko
114
高校2年の朱音が校舎の屋上から飛び下りた。遺書は残されていなかった。クラスメイトや同級生7人が語る朱音とその日。 朱音の死の真相は。…モヤッとしてます。きちんと読み込めていないところがある気がして。最後にわかる莉苑の行動、莉苑は何故あんなことをしたのか。朱音は困った子ではあったと思うけど、その他のみんなも、高校生らしく利己的で、ある意味とてもリアルだと思います。各章のラストにあるタイトルが上手いなと感心しました。途中からとても楽しみになり、章の途中で読むことがないよう注意を払いながら→続く 2019/09/02
おくちゃん🌸柳緑花紅
113
怖っ!私の分かったかのようなレビューは、彼らに完全に拒絶されそうだ。最終頁のタイトル、その下にある○○○何?背筋が冷える。2019/03/19